「パプリカ(アニメ映画)」

総合得点
72.1
感想・評価
836
棚に入れた
3968
ランキング
1211
★★★★☆ 4.0 (836)
物語
3.8
作画
4.3
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
3.8

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

子供みたいに魅力的・オヤジかっこいい

監督・今敏
脚本・水上清資、今敏
原作・筒井康隆

夢を繋げて共有し、観ることのできる装置を開発している主人公たち。心理療法にも密かに活用している。ある日装置が盗まれ、開発者間の暴走が始まり…。
「他人の夢を一緒にみられるなんて、素敵だろぉーー?!」
(作中の、開発者の言葉)
と言われると、どうですか。
私は、イヤー、それは恥ずかしいだろうと思います。

夢って吹き溜まりみたいなところですよね。みんなが繋がるプールだというのなら、時にタイドプール(潮溜まり)のような。
ひた隠しにしてる裏の部分や、別に知りたくなかった所もきっと滲んでしまう。

先日、有能な知人が自分の子供の映像をYouTubeに60本越えでアップしてるのを発見してしまい、ちょっとウワァ…と引いたところです。
まぁ、私もこんな風にアニメの感想をぼそぼそ書き連ねているワケで、人のことは全く言えません。
人の見ている夢は、こうあってほしい、という現実の捉え方にも潜んでいる気がします。


悪夢パレードが壮大になるあたりは「平成狸合戦ぽんぽこ」みたいですね。終盤のパレードはやがて密になり、現実のどんちゃん騒ぎな都市と変わりない感じでした。
最近ではこういうのは夢、というよりゲームの世界という表現になるんでしょうか。

最後まで構成する要素のバランスがよく、終始一貫して品が失われることなく、ざっくりとエンターテイメントで爽快なラストでした。(R指定なの?中学生くらいから見られると思いました。)
精神世界云々あるけれど、残酷さやエロスはそこまでのものではない気がしました。「気がふれる」という表現の扱いがRなのかしら。
それにしても、絵柄と動きの品のよさがありました。
観る前は、「普通は見たくないものを技巧的に面白く見せようという高スペックないやらしさがあるのではないか…」と思っていたのですが、全く、品が良かったです。個人的には今敏の作品で一番気が楽で心地よいかもしれないと感じます。主人公敦子が惹かれる「子供みたいに魅力的」な要素が作品の中に罪なく見え隠れしていました。
敦子のラブストーリーが入っていたところがよかったのかな。あの能面みたいな顔が緩んで情けない恋心がみえるところがとても素敵でした。
平沢進の浮遊感のある音楽もとてもよくあっていて、無邪気です。

描写は今敏らしく細かいけれど、話の筋は筒井康隆らしく太い。

そして何しろココがいいというのが、色んなオヤジがかっこよい作品であるところ。それぞれ見せ場がビシッと憎らしく決まっててブラボーでした。(砂川にバーテン達、かっこよすぎでした。)


狂言回しのような75調のリズム?アレで話されたら結構ムカッとイラっとするもんだなぁ、と思いました。
「夢が犯されていく」がキャッチコピーだったようですが、侵されか冒されのほうがあっていたのではないかな…?煽り文句というのはわかりやすく思わせぶりなものですか。

投稿 : 2014/05/14
閲覧 : 287

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