みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
意味不明な境地にたどりついた宮崎御大を祝いたい
そういや、見たけど、書くの忘れてたんでさらっと。
とりあえず、結論から言うと、よかったです。人にオススメをしたいか、といわれたら、それは、あんまりオススメはいたしませんけれども、まあ、人に薦めるかどうか、ということと「わたしが見てよかったかどうか」ということは別のことなので。
それは、すなわち、「ごく個人的には楽しめる点はあるけれども、他人が同じように楽しめるかは、まったく保証できない」ということ、です。
シナリオに関して言えば、ケチをつけるべきところはたくさんあります。宮崎御大にとって恋愛描写っていうのは一体何なんだw、アホかwww というのもあるでしょう。
実際の堀越二郎の評判を少し聞いたことのある人にとってみれば「なんだwwこの堀越二郎はwwww」という失笑がこらえきれないということもありました。
まあ、つまり、失笑しながら見たという事実もあるわけですが……そういうことはぜんぶさておいて、ただただ、地味に空の風景と、空をより早くとばそうと苦心をする人の描写という、ただ、その風景描写だけで、けっこうイケたわけです。個人的には。
夢と現実の風景の重ね方。ありえない挙動をする物体の数々。そういうものが楽しそうに描かれているのを見るだけでとりあえずお腹いっぱいですよ。
登場人物の人物像は正直よーわからん感じがしますが、もうなんていうか、アレですわ。幼児向けの絵本の登場人物が何考えてんのかよーわからん、のと同じような気持ちです。
ただただ、詩的な風景を楽しそうに描く作品という以上のものを期待せず、わたしは、そのような映画を、静かに観させていただいたという気持ちで、もうそれだけで、宮崎御大には、いい映画をつくっていただいたなと、感謝する気持ちになれました。
ええ、もうね、パヤオ先生が、いくら意味不明な脚本を書こうがもうどうでもいいんです。おっさん楽しそうなら、いいんです。もう悟りの境地ってやつですよ。これが。
脚本に期待する気持ちというのが、この10数年をかけてキレイにわたしのなかから抜け出ていっており、おかげさまで、もう、こういう気分になれました。
ただ、まあ、似たような気持ちで、みなさんが鑑賞できるのだろうかといわれれば、「よーわからんですわ」と申し上げるより、他にはなく、そういう意味でオススメはまったくしないのですが、個人的には、よかった、と。最初に申し上げたのはそういうことです。