みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
原作者はポスト福本伸行でも狙っていただけると、個人的にwktkです
最強ゲーマー兄妹の異世界放浪もの。
兄妹は万能のゲームの天才という設定。
『カイジ』や『Liar Liar』など、極限状況でのかけひきに関するゲームの話なんかはけっこうあるが、本作は比較的さっぱりとした感じでいろいろなゲームをさくさくとこなしていく。
見せ場はいろいろとあるが、現状で見せ場を整理すると大きく3つぐらいだろうか
1.兄妹がゲームに快勝していくさま
2.ゲームの強さの内実を説明していくさま
3.兄妹のだめ人間っぷり
まあ、いまのところ5話までしかみてないから、このあとなんかでてくるかもしれないけれども。
いまのところ、カイジみたいな感じの極限状況にはまったくおかれていないので、「ダメだ…っ!!」「やめろ…っ!!…そのカードを…めくるな…っ!」ザワ……ザワ…… 的な雰囲気というのは出てきていない。
そういった重苦しい感じがないことこそが、本作の特徴であり良くも悪くも「軽く」楽しめる仕上がりになっていると思う。
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で、個人的によかったところ。
俺Tueee的な描写や、兄妹のだめ描写もそれなりに面白いのだけれども、本作の「ゲームの強さの内実をどう表現していくか」の説明はけっこうおもろい。
基本的には、
A.数学的な(ゲーム理論的な)確率論を把握する能力
B.非公式なルール(盤外戦)
の2つがいまのところ、大筋の「強さ」の内容になっていて、前者は妹の「白」が。後者は兄の「空」がとりわけ強い、ということになっているようだ。
実際のゲームの強さの種類を考えると本当はもう少しあって、主要なところでいうと
C.運動能力(反射神経含む)と、
D.どれだけ莫大な時間を一つのゲームに費やすかという根気
あたりもたいがいの場合には重要になってくる。要するに訓練だわな。この手の訓練を問題にせずに済むようなゲームというのは、じつのところ結構かぎられてくると思うので、そういうゲームをやらずにどこまで済ませるのか、というのも一つ今後の見どころだろうか。
ただし、いわゆる「ギャンブル」と言われるものは、そうした訓練を必ずしも必要としないたぐいのゲームが中心となるため、本作の言う「ノーゲーム」はどちらかというとギャンブルがメインになってくるのかな、という印象。二人ゼロ和ゲームとかも、本当はものすごい訓練がいるわけだけれども、超絶頭がよければ(理論上は)訓練はいらないということには確かになるので、いまのところチェスとかも登場しているわけだけれども、まあ、そこらへんをどのぐらいまでごまかしてみるかだわな。
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あと、どうでもいい設定厨的なツッコミを入れると、そんだけゲーム強かったら、「現実はクソゲー」と思うどころか、どちらかというとヌルゲーだろうと思うのだが、そこはご愛嬌というところか。
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原作者の榎宮祐さんは84年ブラジル生まれ、とだいぶ若い方らしい。今後どこまで福本伸行御大の牙城にせまれるか、みたいなことを目指してくれたりすると嬉しい(笑)
福本伸行御大は、もう『アカギ』とか、かんぜんにわけのわからん世界にとびたってしまっているからね。
*「頭脳ゲームじゃねーじゃん」的なDisについて
一部で「頭脳ゲームじゃねーじゃんwwwクソアニメwwww」的なDisがあるようだけれども、まー、それはなんだ、アニメの広報チームの仕事の所為ではないでしょうか。
ゲームの全てが頭脳ゲームである必要はまったくないわけで。もちろん、非公式なルールがたくさん存在するゲームが「クソゲー」であることは事実なのだけれども、クソゲーを描くこと自体が罪だという思想ならともかくとして、まあ、別にクソゲーは世の中にいっぱいあるから、そういうことで腹を立てるというのが個人的にはあまりよーわからんというか、賛同しかねる。
昔から、本格ミステリーとうたっておいて、実は読者が知りようのない要素で落ちがつくような話が、Disられるというのはよくあることだったけれども、まー、その種の期待値との落差の問題でしょうね、としか言いようがない。もとから期待せずに見たわたしにとっては、特に問題にならない