STONE さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
毎日ボスクラスと戦っていれば、せわしなくもなるか
原作は未プレイ。
ざっくりとした感想はせわしないなと言うもの。おそらく原作ゲームはそれなりに
ヴォリュームのある内容で、それを1クールに詰め込んだためだと思うが。
13人の悪魔使いがセプテントリオンと戦いながら生き残りを図るというのが基本展開だが、
登場キャラがドンドン死んでいく。
キャラの死亡というのは、それまでにそのキャラがよく描かれていれば、その死は視聴者に
なんらかのインパクトを残すことができるし、そのキャラの死がその後の展開や生き残った
キャラの心情に変化を与えるのなら意味があるのだが、この作品は出てきたと思ったら
死んじゃうキャラがいたり、死んでもそれが後に変化を与えるものではなかったりすることが
多いみたい。
終盤に至っては一山幾らみたいな感じで、唐突に2、3人まとめて殺したりするので、
キャラの死に対する感慨もなく、次は誰が犠牲者?という緊張感も無かった。
結局は久世 響希以外はみんな死んじゃったので、逆に「これは全員生き返るパターンか?」
と思ったら、本当にそうなった。まあ、それはいいんだけど。
・・・というのが初見の感想だったが、後でまとめて鑑賞したら、ちょっと印象が変わった。
作中の時間軸では連日セプテントリオンと戦っており、落ち着く間もなさそう。仲間の死に
関しても、すぐ先に次の戦いが控えているとなるとそれほど感傷に浸っている間もなさそうで、
先に書いたせわしなさや、仲間の死に関しての感情などはむしろ登場キャラの感覚に近いのでは
ないか?。
意図的に視聴者と登場キャラの感覚をシンクロさせたのではないのだろうが、これはこれで
ありかも。
キャラに関しては先に書いたようにあまり心情やバックボーンが描かれることなく退場した
キャラが多いため、登場人数の割には印象に残るキャラが少ない。
主人公である久世 響希は良くも悪くもこの手のバトルものでは平均的思考をする少年であり
(主人公だから、それはそれでいいんだけど)、そういう意味ではライバル?、もしくは敵?
ポジションである峰津院 大和の方が印象的。
やることや考え方があまりにも非情で憎々しげではあるが、ここまで吹っ切れていると、
それはそれで面白い存在。主人公と対峙するキャラではなく、共闘関係にありながらここまで
非情なキャラというのは結構珍しいような。
倫理的には響希のような思考の方が正しいのだろうが、現実世界でも皆が「こうなった方が
いい」と思っていても、利害やしがらみで変化させることができずに膠着状態に陥っている
わけで、大和が全部チャラにして賢人政治にした方が良い世界できるという考えに至るのも
判らないでもない。この辺は民主主義の肯否の話になってくるので、ここまでとしますが。
最後までぶれないキャラであったが、口でこそ自分をかばって死んだ迫 真琴に対して、何の
感慨も持っていないようなことを言いながら、表情から察するにそうではなかったり、響希を
単なる駒と言いながら、「死に顔動画」で響希が友達として扱われていたりと、ツンデレ要素も
あって、ちょっと可愛い。
自分の理想を推し進めつつも、根底ではもう一つのやり方も捨て切れておらず、響希のような
存在を待ち望んでいたのかもしれない。
バトルに関してはキャラではなく、キャラが使う悪魔が戦っているので、正直感情移入は
しづらい。それに戦いという緊迫した場面で、皆が携帯を掲げているシーンは絵面的には
ちょっとお間抜け。