kochiro さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 2.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
世界観を理解するまでに時間のかかる大作
ファンタジー作品は世界観をざっくり説明してくれるキャラクターがしょっぱなから登場し、遅くとも2話くらいで「説明乙」とコメントが流れるくらい説明してくれるのが当たり前なのだが、本作品はそんなことはしないので、主人公と同じように何もわからず、この世界(作品)は何なんだ?と思いながら観ることになるため、今の時代の若者には不向きな作品だと言える。
主人公とのシンクロ率を高める手法として有効なのだが、本作の場合、説明用キャラクターが登場する4話までは我慢のあまりできない私にとっても正直あまり面白いとは思えなかった。
最近のファンタジーはライトノベルが流行っていることからもわかるようにフィクションなんだから勢いがあれば何でもアリでしょ的で内容の乏しい作品ばかりだが、本作品はひと昔前の本当にマニアックで虐げられていた中二病患者が空想を膨らまし構築した大作であるため、世界観も物語も現実味を考慮していることがわかり痛々しくさえ感じた。
と、ここまでかなり否定的なコメントを書いてきたが世界観が理解できてしまえば見応えのある大作であるし、物語としても副題を配し、ちゃんと観終わることができるようになっていることからも名作であると高く評価できる。
「プラネテス」もそうなのだけれど、政治的な立場があるからかNHKはアニメでフィクション化しつつ、現代社会をやんわりと批判する作品が多いと感じる。
あと、どうでもいいことだがOP音楽の一部がパイレーツ・オブ・カリビアンのテーマに聴こえるのは私だけだろうか?