★mana★ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
それぞれの「真実」、それぞれの「涙」
普通の高校生、
主人公「仲上 眞一郎」。
とある理由から眞一郎と同居をしている「湯浅 比呂美」。
少し変わり者扱いをされている「石動 乃絵」。
眞一郎の親友「野伏 三代吉」。
眞一郎の幼馴染で、三代吉の彼女「安藤 愛子」。
主にこの5人(さらに主に上3人)の恋愛を軸に話は進みます。
もし、私がこの作品を10数年前に観ていたとしたら、
きっと嫌悪感でいっぱいになったと思う。
その頃の私は純粋で、きっと「真実の涙」を流せていたから・・
今だから言える事。
きっと、こういう経験は若いうちに必要だと思う。
それは、眞一郎が、乃絵を傷付けた事であり、
比呂美が、自分の気持ちを偽った事であり、
乃絵が、深く傷ついた事であり、
三代吉が、彼女の真実に気付いてしまった事であり、
愛子が、気持ちがない相手に期待させた事であり。
それをまず、経験しなけえば
「与える痛み」
「受ける痛み」
さえ、感じれないと思うから。
傷つけて、傷付いて気付く事。
それはどっちも「心が痛い」って事。
自分の気持ちを偽る事。
それはいつか「後悔する」って事。
本当の気持ちを押し殺してまで付き合う事。
そこには「何も残らない」って事。
彼らはそんな苦い経験し、痛みを感じ自分の真実に気づいていったのだ。
あの位の、多感な時期の恋愛はどろどろしてこそ、と私は思う。
だから、「誰が正解で、誰が間違い」なんてない。
「誰もが正解で誰もが間違い」なのだ。
どん底まで落ちて這い上がって強くなればいい。
自分の本当の気持ちが分かるまで悩めばいい。
もし、そこですれ違ってしまったとしても、それはきっと明日の自分に繋がっていくんだ。
そして、全てに気付いた時「真実の涙」を流せばいい。
夢があって希望があって輝いている、
そんなキラキラしてたあの時代・・(この作品は、その様なキラキラはありません。あくまで今だからこそ、そう見えるあの時代です)
忘れかけていた何かを思い出させてくれた作品でした。