くろゆき* さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
失った時間は取り戻せないが、これからの時間は己の選択次第だ
劇場アニメとTV放映用のアニメで決定的に違うところは
大きなスクリーンで、その作品に純粋に入り込める
点にあると思います。
それ故にテレビと変わらないような内容で放映されると
わざわざ金を払って見に行ったのに・・・と、
損をした気分になってしまう方も多いと思います。
その点では今作は戦闘シーンを中心として
アクションシーンに非常に力を入れていて、
劇場で見ることができて良かったと素直に思えました。
ただ、劇場用の演出をするために原作と比べて
派手すぎる錬成が多く、質量保存も少し無視していて、
原作好きな方は違和感を感じるかもしれません。
内容に関しては、ルパン三世で言う「カリオストロ」
の位置づけに近く、一つの作品の中で新しい
人々に出会い、そして別れていく一本完結型です。
だから最後はそれなりのハッピーエンドを迎えるの
ですが、ご都合主義かと言われるとそうでもない。
結果良ければ全て良しではなく、その過程に
何があったか、どんな考えで行動した結果なのか、
それらをすべて踏まえた上で最後にエドは
自分なりの考えをしっかりと示します。
一つの考え方だけにまとめてしまうことなく、
あくまでもエドとアルの考え方を尊重しているところに
この作品に対する製作者の思いが感じ取れます。
作画やアクションシーンの演出は原作やTV版と
異なる点が多く、「違う作品」だという印象を受けるの
ですが、その内容に関してはやっぱり「鋼の錬金術師」
なんだと思うことが出来ます。