四畳半愛好家 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
さんをつけろよデコ助野郎!!
原作・監督:大友克洋 1988年制作。総セル画枚数約15万枚。
世界中にジャパニメーションのレベルの高さを知らしめたSFアニメの金字塔。
第三次世界大戦後、荒廃していった世界が舞台の作品。翌年2020年に東京で開催されるオリンピックに向け、復興しつつある街「ネオ東京」を舞台に、主人公金田をリーダーとする不良グループやゲリラ、政府軍の戦いを描いた作品。
(2020年東京オリンピック開催という設定は偶然みたいです。)
まず世界観が凄い!2019年の東京が十分に予想できる現代においては「東京はこんなに腐った街じゃねえよ…」とは思いますが、そこは製作された時代のデモ運動が今より活発だったという背景や、「第三次世界大戦勃発」という設定もあり、仕方ないかと。パラレルワールドとして面白い世界観だと思います。
どこを見ても世紀末。この近代化した街と、「暴力」という対照的な2つが混ざり合ったぐちゃぐちゃな世界観が、AKIRAが世界的に愛される大きな理由になっていると思います。
物語は、終盤が難解であり、正直よく分かりません…。(個人的にはある種の「男の友情物語」だと思っています。)
腐った世界で「劣等感を抱いている「弱い少年」が制御できないほど大きな力を持ってしまったら…」そんな作品です。(今となっては珍しくもない話かもしれませんが…)
物語の展開のワクワク感と音楽、作画の完成度…どれをとっても名作にふさわしいと個人的には思います!が、グロいし、難解だし…人を選ぶ作品でもあると改めて感じました。苦手な人は苦手そう…。
ただ、良くも悪くも本作は「観ておくべき作品」だと個人的には思ってます。
最後に、この作品のセリフや言い回しは、かなり魅力的だと思います。
「さんをつけろよデコ助野郎!!」は有名ですが、その他にもいくつも…。基本的に不良っぽい言い回しが多いですけど、格好いいセリフに注目して観ても楽しめるかと!