「ゆゆ式(TVアニメ動画)」

総合得点
76.8
感想・評価
1291
棚に入れた
5907
ランキング
669
★★★★☆ 3.7 (1291)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

予測不可能のギャグ攻撃

 原作は未読。
 いわゆる日常系に分類される作品なのだろうが、他の日常系に較べてギャグ色が強い印象。
 このギャグが前後の脈絡もなく、唐突に斜め上のネタ振りでやってくるもので予測不可能と
いった感じ。
 お約束のベタな笑いも嫌いではないが、個人的にはシュール系や不条理系を割と好むところが
あるので、この作品は笑い的にはかなりツボでした。
 この予測不可能なギャグを成立させる要素として、ネタの捉え方が他のギャグ作品とは異なる
ところが大きいように思える。
 他作品の多くにおいて、登場キャラの行動や発言自体は作中においては笑わせるための
ものではなく、そのキャラのボケや暴走が、あくまで視聴者にとっての笑いどころになることが
多い。
 そのため、ある程度はストーリーの流れに沿う必要があるのだが、この作品では作中でも他の
キャラを笑わせるためのネタとして登場することが多いため、話の流れに関係ないギャグを
繰り出すことができる。野々原 ゆずこの場合がそれが顕著で、日向 縁の場合は天然ボケも
あるみたいだが。
 作中でもネタであるため、ネタを振ったゆずこや縁は明らかに櫟井 唯のツッコミを期待
しているようだし、ゆずこのネタに受ける縁の笑いがこれまた印象的。

 ネタ元の守備範囲はかなり広く、その中でもやけにプロレス関係が多かった印象が強い。この
辺は原作者の趣味なのかな。
 90年代頃まではまだメジャーコンテンツといった感じだったプロレスだが、今では地上波
放送も新日本の深夜のみといった状況の中、熱心なプロレスファンでもなさそうな女子高生が
よく知っているな、という印象もあったが。
 しかもカール・ゴッチだの、プロレス以外だとYMOなど、今の女子高生とは思えないような
古いこと、よく知っているなと。

 ネタ元としては情報処理部での活動が大きいが、これが単に笑いのネタだけでなく、ここで
知ることのできる無駄な豆知識も結構楽しかった。
 自分もそうだが、この作品を観てピカチュリンやポリアネスなどを自分で検索した人、結構
いたんじゃないかな。ポリアネスはこの作品のせいで検索ヒットするようなっちゃったみたい
だけど。

 この作中でのネタのやり取りが中心のため描写はほとんどキャラのお喋りに終始。
 そのため他の日常系ではそれなりにある文化祭や修学旅行などの学校行事や、クリスマス、
正月、夏祭りなどの季節行事もあまり描かれず、会話の中での回想で終わってしまったり。ある
意味、本当の日常系だなと。
 最終12話のサブタイトル「ノーイベント グッドライフ」に象徴されるように、何もなくても
友達と楽しく過ごせれば、それで幸せということなのかな。
 イベント自体は描かれないが、季節感の出し方はなかなか上手いと思う。
 例えば正月回だと、皆で初詣に行くようなイベントはないが、ゆずこが破魔矢を持っていて、
それをネタにしたりと、結構細かいところで正月感を出していたりする。

 基本ストーリー展開のようなものはないが、表情や会話の端々にキャラの立ち位置や本音が
うまく織り込まれており、実はドラマ性は深いものがあったりする。この演出は見事。
 幼馴染みである唯と縁に対して、ゆずこがちょっとした距離感を感じていたり、唯、及び唯
グループと仲良くなりたい相川 千穂や、その千穂が唯に近づいていこうとするのに
ジェラシーを感じている岡野 佳など。

 絵自体は割とシンプルなタッチだが、細かい仕草などが丁寧に描かれているのも、個人的には
好感が持てた。

投稿 : 2014/05/05
閲覧 : 261
サンキュー:

6

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