四畳半愛好家 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
最後のシーンをどう捉えるか
映像や音楽が素晴らし過ぎて何度も見ている大好きな映画なんですが、最後の踏切のシーンの捉え方によって感じ方が変わってくると思います
自分も初見はただただ鬱でしたが、繰り返し見ているうちに踏切のシーンは主人公の再出発を意味しているように思えました
彼女が自分なしで幸せに生きていけることへ気付き、彼女から初めて解放される…
遠野は優しすぎる性格故に明里を忘れられなかったのではないでしょうか?
もちろんその感情の大部分が愛だとは思うんですが、きっとそれ以外の感情も溢れるほど持っていたと思うんです。
遠野の知っている明里は身体が弱く、内向的な性格ゆえに、からかわれても1人では巧く対処できないような女の子でした。
「自分が近くにいないと明里は孤立してしまうのではないか?」そんな遠野の優しい性格が、明里のいない場所で新しい恋をすることへの抵抗となってしまったように自分には思えます。
花苗ちゃんや水野は遠野にとって十分強い女の子だったのかもしれません
実際、遠野が想像する明里はいつも孤独な姿なのです…
踏切のシーンの後の主人公の笑みは、決して自嘲的なものではなく、「明里は僕がいなくてもやっていけるんだ」と気づくことで、ある種足枷となっていた明里への優しい感情を振り切ることが出来たことによるものなのではないでしょうか?
いや、もしかすると優しい遠野くんのことですから、「明里が幸せにやっていけてる」ことに対する純粋な祝福の笑顔なのかも…(そうだったら凄く泣けてくる…)
踏切は遠野の再出発を暗示するものだとしたら、気持ちいい終わり方をした映画だと言えるのではないでしょうか!!
因みにコミカライズ版では、大分マイルドな救いのある終わり方をしています。鹿児島の女の子である花苗がまた出てきたり、主人公の就職についての補足等々…
このアニメが鬱すぎると思うなら、全二巻の漫画版も読んでみるとスッキリするかも!