四畳半愛好家 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
名作シリーズの「解」決編はツッコミどころも多し!?(若干批判的注意)
最も有名な?ホラー・サスペンス・ミステリー系アニメ作品第2期(本編完結編)。ネタバレ付きレビュー。
{netabare}
・1期と合わせて50話近く、中弛みを感じさせなかったこと。
・単純なループものとして終わらず、少しずつ光が見えてくる展開の新しさと熱さ。
・協力展開からの失敗もあり、最終ループに向けて心から応援したいと思えたこと。
・なにより、悲惨な事件を繰り返してきた登場人物がやっとのことで報われたこと…。
…等々、本作には沢山の魅力があり、「観て良かった!」と思えた第2期でした!
ただ、あえて言わせてもらえば…1期の方がクオリティーが高かった様に感じます。
1期から粗さこそ目立つ作品でしたが、「かつての事件」に触れない部活メンバーに猜疑心を持ってしまう圭一君だったり、悟史への愛から鬼になってしまう詩音だったり…。
なかなか感情移入できる側面がありました…。
説明なしにループに入る置いてきぼり感や、狭い村社会の不気味さ…そして、救いのなさと僅かな希望…これらの要素が、「合う人には合う」作品となっていました…。
ただ、本作終盤の解決に向けた展開は、これまでの残酷な世界観と釣り合わない印象があり、「ご都合感」が強調されてしまった気がします。
端的に言って、ツッコミどころが多い…。
私は友人とツッコミつつ楽しみながら観ましたが、「繊細でしっかりした話」が好みの方が満足できるかは怪しい作品だったと思われます。
先ず、沙都子が強すぎる!!
沙都子のトラップが軍隊を殲滅し、籠城に成功するわけですが…。小学生の女の子ですよね…?
他の部活メンバーも相当強かったけど、圧倒的なキル数を稼いだ彼女の将来が少し不安です…。
ここら辺の非現実的な戦闘描写で「ホーム・アローン」的なコメディ臭さが出てしまい、物語にチープな印象を与えてしまいました。
また、赤坂も強すぎます…。銃器を持った相手が複数人いようが簡単に無力化してしまう正義の漢赤坂!どんだけ逞しくなってんだ…!
まあ格好いいから良いか…声小野Dだし…。
鷹野の動機に関しても、納得はできませんでした。過去のエピソードにはかなり同情してしまいますし「高野一二三の研究を世に広めたい」気持ちは痛いほど伝わりますが…。
それで大量の罪のない人々を殺せる彼女は、やはりサイコパスでしかないです…。
「『生きていいよ』って認めてもらいたかった」旨を話すシーンは、観ていて泣きそうになりましたけど、冷静に考えて、「お前は人を殺していいのかよ」ってツッコミたくなります。
フラッシュ富竹をはじめ、認めてくれる人は少なからずいたわけで…。
そのほか、子供っぽい圭一君の演説でも、大人が納得してくれたり…(寧ろ子供特有の真っすぐさが伝わったわけですが…)ハッピーエンドに向けた、強引で作為的な展開が数多く見受けられました。
そもそも解決への最後の決め手となった「羽入の実体化」そのものが奇跡的過ぎるだろ…と。
ただ、何度も何度も凄惨な事件の”被害者”となった部活メンバーが報われたことは、やはり喜ばしいです。
「落ち」に納得しきれないのは、数多のホラー作品でも感じる部分であり(例えば名作『IT』なんかの落ちも正直自分は納得できない…)宿命とも言える点かもしれませんね…。
特に殺される人生をひたすら繰り返してきた梨花ちゃんが報われたことが何よりも嬉しい…。
某アニメで、毎週毎週同じ様な夏休みの出来事を繰り返し見せられるだけでも辛かったのに、彼女は「殺される人生」を無数に繰り返していたわけですから…。(圭一が転校してこない絶望的なループもあったみたいです…。)
彼女が無事に7月1日を迎えることができたシーンは、やっぱりグッと来るものがありました!!
しかし最後の場面…彼女は魔女にでもなったのでしょうか?
バタフライエフェクトが心配になってしまう終わり方でもありました…。
「死にたい」を選んだのに何故生きているんだ…?
(色々な解釈があるみたいですので、解説サイト等を観るのが良さそうです。)
{/netabare}