ＯＺ さんの感想・評価

4.0
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

パステルLovers

原作のライトノベルは読んでいないが
タイトルは知っていたので
観てみる事にした
学園ハーレムラブコメ作品

■パステルLovers■
ほぼ無条件でヒロイン達から好意を寄せられる
やれやれ系主人公 季堂 鋭太を中心に
今や学園物には大体出てくる
『涼宮ハルヒの憂鬱』で言うSOS団の様な
およそ部活として成り立たない
「自らを演出する乙女の会」略して
「自演乙」によるクラブ活動と
ヒロイン達のドタバタスクールラブライフ。

ありがちな設定は目新しくも無いのだが
目を引くのはパステル調の淡い作画。

「ちょっと観辛いかなぁ」なんて
目に優しくない印象を受けたけれど
1話終わる頃にはすっかり慣れ
反対に長所へと変わってくる。

その長所を存分に活かした
OP「Girlish Lover」は
アイドルPVさながらのキュートな映像を
よりオシャレにドレスアップ。

目にした時からお気に入りとなり
飛ばせないOPの一つだ。

声優さん達の歌声も心地良く
特に夏川 真涼役 田村ゆかりさんの歌唱力は頭一つ抜けていて
スッと耳に入り込んできたね。

パステルカラーで描かれる彼女達の恋愛模様を観て
終わった後は一体誰色に染まるのか？
ヒロイン達の魅力に彩られた構成になっている。

■最終回が修羅場すぎる！？■
どの作品にも言える事だけれど
内容が良くても悪くても
締めによって印象は違ってくるもの。

鋭太と真涼のフェイクな恋人関係が
叔母 冴子に見破られる第11話を機に
物語はクライマックスへと加速していく。

最終話のコンテストで鋭太が選んだ答えは真涼。
選ばれなかったヒロイン達とはどうなるのか？

ハーレムルートから
ようやく修羅場らしい展開へ！！
期待して観ていたら
「あれ？終わり？？」と
これからって所でエンドロール。

せっかく終盤で一気に盛り上がりを見せた分
2期が無ければ終わり方は修羅場すぎるので
幕引きが突然なのは心残りである。

■まさに愛衣ちゃん大勝利！■
序盤は今一つ盛り上がりに欠けるけれど
第7話でヒロインの一人 冬海 愛衣が登場して以降
ラブコメ色は一層濃さを増してくる。

普段はテンプレ通りのツンだが
嬉しくなると事ある毎に
「愛衣ちゃん大勝利」「お外走ってくる」等
口癖からしてぶっ飛んだ性格は
デレを通り越してもはや面白い。

鋭太を「タッくんだいちゅき♡」と甘えてみせたり
ネジの外れたデレ具合は笑えて可愛いの一言。

中でも気に入ってるエピソードは
第9話「よみがえる約束は修羅場」

花火大会を一緒に見に行く事になった鋭太と愛衣。
幼馴染の仲なのだが時を経て
何時しか鋭太の中にある幼い愛衣は薄れていき
彼女の事を忘れてしまう。

幼少時代 一緒に過ごした道を辿り
どうにかして”あーちゃん”を思い出させ様とする愛衣。

思い出せぬまま花火は打ち上がり
丘の上にある一本杉の下で
ずっと気付かなかった鋭太もようやく思い出す。

花火を見る特等席であると同時に
"たっくん" "あーちゃん"と
幼い頃呼び合っていた懐かしい記憶を。

幼馴染である事を思い出すまでの流れは
観ている側をグッと引き込み
胸がキュンとさせられ
一躍ヒロインの座に踊り出たね。

勿論 他ヒロインの千和 真涼 姫香3人共可愛くて
それぞれ見せ場はあるのだけれど
冬海 愛衣が登場して以降
彼女の存在感に喰われていた感が強いので
終わってみればまさに愛衣ちゃん大勝利！だったよ。

■あとがき■
タイトルはいかにもライトノベルらしく
【修羅場すぎる】と付いてるわりには
修羅場って程じゃ無かったけれど
全13話を思っていたより楽しめたな。

これなら各サブタイトルにも「～修羅場」は
付けなくても良かった気もする。

もう少し評価は高くするつもりだったが
フェイクな恋人関係や
真涼の父親との確執が明かされなかった事に加え
やっぱり終わり方かなぁ・・・。
続きがある前提なので伏線が回収されなかったのは惜しい！

荒削りなストーリーを
キャラでカバー出来たって所だね。

今後 ヒロイン達との恋愛がどう描かれるのか
是非とも2期を観たい作品だ。

満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)