takekaiju さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
もう少し丁寧に描いて欲しかった
前作『ラストエグザイル』の続編。プレステールの人々が帰還を果たした2年後の世界を描く。
荒廃した環境が元に戻った惑星では、既に帰還を果たした人々の国と惑星に残った人々のアデス連邦との抗争が起こっていた。強大な軍事力を持つアデス連邦は帰還民に奪われた土地を取り戻すために侵略を開始し、その手はトゥラン王国にも伸びる。空族を営む少女ファムとジゼルは、国を奪われたトゥランの王女ミリアと協力しトゥランの再興と和平を求めて空の旅に出る。
続編ではあるものの完全に新しい世界の物語なので、この作品だけでも十分楽しめる。前作で活躍したアナトレーやシルヴィウス(シルヴァーナの後継艦)、ディーオやタチアナが登場するので、より楽しめると思う。
ただ今作は全体的に消化不良な点が多かった。神出鬼没のはずのシルヴィウスが簡単に空族に見つかるのは変だし、シルヴィウスに乗ってるはずのディーオがいつの間にかウルバヌスにいるシーンもあった。クラウスとラヴィはただ登場させただけだし、最後は綺麗事を言ってなし崩し的に終わってしまってそもそもの問題も解決していない。シーン毎のつながりが見えにくいのは前作も同じだが、今作では回収しきれていない伏線が数多く見受けられた。本編21話というのも尺としては短く詰め込み過ぎたのが原因ではないか。
一番もやもやするのは、移民船の帰還により増えすぎた惑星の人口を制御するという大義名分を掲げるアデス連邦の目的は果たされず和解して物語が終わってしまったところだ。結局解決されない資源不足や今後の帰還民対策はどうするのだろうか……