くろゆき* さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
生きるのを諦めるな!
Elements Gardenの上松範康プロデュースで話題になってたアニメ。
それはいいのだが、全体から漂うこの古臭さはいったい…
悲壮感あふれるラストシーンから始まる冒頭は、なんかもう吉本新喜劇のような清々しぎるベタさ。『まどマギ』やら『シュタゲ』やら、やたらと捻った冒頭パターンの多い最近の界隈では、逆に珍種。
そう思って調べたら脚本はゲーム業界の人。うん? 美術関連でも外人を起用しているが、悉くミスってるカンジが。異業種コラボって難しいね。そう考えると、うめてんてーってすごかったのかも。
ストーリーは地球が危ないので、特殊な力を駆使して人類を救う伝統的なパターン。そこに悠木碧扮する少女の成長物語が絡んでくる。あれ?
戦闘はシュール。歌いながらバトルしちゃう。見慣れない海外ミュージカルで思わず噴出してしまう日本の文化性を差し引いても、まず出来として擁護できないレベル。それに連なるセリフ回しもなかなかのカッコ悪さ。
現代の感性では『北斗の拳』や『コブラ』の決めゼリフがギャグにしか聞こえなかったりするが、そういうのとも少し違う。逆に、というラインをギリギリ越えない、残念にもほどがある低空飛行ぶり。
おかげで、キャラはパッと見の造詣も相まって90年代感がハンパない。彼らはどこへ向かおうとしているのか。同じ監督の『モーレツ宇宙海賊』も似た感じの古臭さがあったが、あっちは終盤で上手いこと王道の路線に乗っけていた。
「シリアスな笑い」という謎の概念が生まれた以上、それを意識した製作も必要では。
OPは余裕の上松×水樹。かつてない超速スピードと盛りすぎなメロディの複雑さで一歩間違えれば電波になりかねないアッパーチューン。
挿入歌もやたらと豊富。公式サイトに「SOUND」のページがある充実ぶり。もうコンセプトアルバムみたいな企画でよかったんじゃないかな…
・総評
レンタルした理由が、DVD6巻のジャケットがプリキュアっぽかったから、なんて恥ずかしくて言えない…
従来とは一味違う変態型のアニメが開発されていく中で、一発屋芸人のように無残にも散っていった作品の一つ。こういう失敗があるからこそ、いつか名作が生まれるのだという希望的観測を抱ける以外には、これといって価値のないアニメ。プロデューサーって大変。