「新世紀エヴァンゲリオン(TVアニメ動画)」

総合得点
90.7
感想・評価
6266
棚に入れた
25332
ランキング
49
★★★★★ 4.1 (6266)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

幻想の女性像とエヴァンゲリオン

昔書いた批評でとても粗い事をお詫びします。
【良い点】主題歌op,ed。作画がよい。低予算で作ったアニメとは思えない出来。シュールなデザインの使徒達。

【悪い点】ラストがよく解らない。やっぱり、「現実逃避」を肯定しては、いかんよ。←筆者主観。

【総合評価】一言で言えばこのtvアニメは、現実逃避を、序盤で肯定しておいて、それに共感した信者達を、ラストや劇場版で、一気に崖から突き落としたアニメである。
また、定番中の定番日常、非日常の対比で取っつきやすさ、その基本の演出の巧さもあって、非常に娯楽性の高い物に仕上がっているのも特徴。
そんなエヴァンゲリオンの世界観。
学校など友達達とのふれあい=日常。
対比
使徒襲来など非常事態=非日常。

物語序盤=仲間達と力を合わせたり、けんせつてきな話=希望。
対比
物語終盤=人間関係が崩壊し、みんなの心がバラバラになってゆく=絶望。

よくは、覚えてないのだがアスカ(女の子)が、シンクロ率でシンジ(主人公)に、負けた辺りから人間関係がギクシャクしてくる。その辺りから、明らかに世界観が、希望から絶望に変わってきたと思う。
その一連の流れを、最後の使徒カヲル君(シンジの親友)のエピソードが象徴していたと思う。
シンジの全てを肯定してくれる、カヲル君とせっかく出会えたのに、そのカヲル君を殺さなくてはならないとゆう話。
次ぎに、心に悩みを抱える登場人物達。
シンジ=悩みを他人のせいにして、世界への恨みを他人に転化=現実逃避。
対比
ミサト(年上のお姉さん)=悩みを持ちつつも、自分なりに克服してきた=現実認知。
結果的に、劇場版などでシンジは、現実認知をしいられるが・・・。

アスカ=ゲーム好きで、活発な現代っ子=現実。
対比
レイ(女の子)=ユイ(シンジの母)のクローン人間。無機質=虚構。
作品のテーマは、甘い世界のtvシリーズで「現実逃避」。
劇場版で、「現実認知」。

庵野監督は、tvシリーズエヴァを見て、現実逃避する人が嫌いだったようで、劇場版を作る。詳しくは、筆者の劇場版の評価を参照。
とは言っても、最も基本的な日常、非日常の対比を持ってきて、シュールでリアルなドラマを作り上げ、成功させたことは事実。
娯楽作品として、まとめ上げた庵野監督の演出、また、作画も素晴らしい。

生命の樹で、今一度新世紀エヴァンゲリオンを考察してみる。
まずは、エヴァのことを語るには、母性とゆうのが重要なキーワードである。まずは、この母性から検証してゆきたいと思う。

母性の立ち位置。
峻厳、厳しさ=母=理論、理論の統一的帰結、生命の樹。
対比。均衡=父=整合性、バランス感覚。
慈愛=子供=理想、救い。
このモデルの場合、峻厳の位置にあるのは、「母」である。
実際女性の方が、男性よりも論理的思考が強く、女性の方が口喧嘩が強いと聞いた事がある。左脳を良く使うと言う。
男性は、それとは反対に右脳を良く使うと聞いた事がある。男性の方が、空間把握能力が高いそうだ。それを、バランス感覚と言えないだろうか。
子供は、両親にとっての救い、理想である。
以上のことから、このモデルをシュミレートしてみた。この場合、父性の反対は、母性でなく反父性である。
このモデルからみると、子供からみると母親は、厳しさの象徴である。
母に救いのイメージをみるのは、子供の幻想とゆうことになる。

新世紀エヴァンゲリオンの世界観。
峻厳、厳しさ=使徒。対比。反慈愛=使徒=渚カヲル
対比。均衡=エヴァ(父性)、シンジ。対比。反均衡=エヴァ(反父性、利己的)、シンジ。
慈愛=人間達。対比。反峻厳=人間=ゼーレ。
序盤は、オーソドックスな普通のアニメである。
均衡は、父性の象徴。ピンチの時などエヴァは暴走する。そして、一気にミリタリーバランスをひっくり返す。使徒に対して仕置きするかのように。
父が、世間とつり合いが取れない子供の行動に対してしかる感じだと感じた。父親の「叱る」の根本には、いつも世間、社会との均衡を保つ為とゆう感じがする。
それと、エヴァの怒りをダブらせてみる。
イデオンにも言えることだが、この暴走は作家のバランス感覚ではないかと思う。

終盤シンジを取り込もうとしたのは、他人との境界線をなくし均衡を崩そうとゆう「反父性」であって、母性ではないことに留意しなくてはならないと思う。
エヴァが、反父性を発揮した瞬間、生命の樹が逆転し死の樹になる。すると、慈愛と峻厳の位置が逆転する。生命の樹には、そうゆう法則がある。
すると、人間達が厳しさを表すようになり、使徒が慈愛を表すようになる。そうして生まれたのがカヲルとゆうわけだ。本当の敵は、人間とゆうところか。
カヲルのエピソードは、シンジにとって「救い」は、別に女性じゃなくても、理想の母性じゃなくても良いとゆうことを表現していると思う。
だが、序破急の説明でも言ったが、「慈愛」のエピソードを最終回に持ってくると物語りは終わらない。それで、旧劇場版につながっていくわけだ。
そのことを、悔いたのか新劇場版では、「序破急」である。

以上のことから、新世紀エヴァンゲリオンのテーマは、「幻想の女性像にとらわれるな」だと、改めて考えてみる。

投稿 : 2014/04/29
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サンキュー:

4

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