にゃっき♪ さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
touch me in the memory
ヒロインの藤宮香織(ふじみやかおり)の「毎週月曜日に大事な友人に関する記憶だけがリセットされる記憶障害」という、とんでも設定を普通に受け入れられるなら、そこそこ楽しめる作品だと思います。
そんな障害があるにもかかわらず、どうせ忘れてしまうなら友人を作らないという状況を、作品世界で何年も放置していたのはさすがに不自然です。日記や音声記録に残すのはもちろん、家族や周囲の協力を仰ぎ、医療やカウンセリングを続けてきたような描写があるなら納得もいきますが、これでは物語のスタートにあわせて都合よく設定調整をしただけのように思えました。
主人公の長谷祐樹(はせゆうき)は、香織の顔がいい事を動機に「つきあってください」ではなく「友達になってください」と声をかけますし、ヒロインに他に友人が出来る事に嫉妬するような黒っぽい優しさを持ったキャラですので、クールでサッパリした性格で、歯に衣着せぬ友人の桐生将吾(きりゅうしょうご)と比べるとかなり見劣りします。
香織の方は祐樹に当たり前のようにお弁当つくってきてくれる天使キャラで、恋愛に鈍感なところはタイトルの縛りから仕方がないのかもしれません。
物語は記憶障害の原因にもふれますが、なぜ月曜日なのかわからない中途半端な印象が残りました。超能力や特殊な催眠術を持つ黒幕が存在するとか、新種のウイルスの仕業にしてしまっても構わないよな気もしますが、まったく別の作品になっちゃいますね^^
私はどんな乱暴な設定でも受け入れられるつもりですが、その設定からは考えられないキャラの言動まで許容したくありません。あり得ない設定ならば、なおさら都合よくキャラを動かしたりせず、心情を大事に描き、もっと違和感を完全に払拭するようなシナリオを書いて欲しかったと思いますが、ちょっと欲張り過ぎかもしれませんね。
パステル調の作画やスキマスイッチの「奏」のカバーをEDに採用するなど、雰囲気が素晴らしく、実写では無理な次元に達しているように感じただけに、個人的にはもう少し頑張って欲しい作品でした。