takekaiju さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
先が読めない展開が最後まで面白い
ミステリー作家、綾辻行人の作品を原作にしているので、ストーリー展開が秀逸。
小説とアニメという表現方法の違いはあれど、綾辻が得意とする叙述トリックがアニメにも取り上げられていて、表現の点でも優れている。「いないはずの存在」である見崎鳴の正体や、一人多い生徒の謎と榊原恒一の過去など物語に関係する謎と登場人物の設定の明かし方によってミスリードを誘導している点がすごくうまくできている。しかも、最後にならないと本当の意味での正解がわからずどこがミスリードなのかもわからない。考察しながら観進めるミステリーとしては、これ以上の出来はないのではないでしょうか。
一つ残念だったのは(映像化という特性上どうしようもないのだが)、物語最大の謎である一人多い生徒をうまく表現できていなかったところでしょうか。髪の色や態度、表情によって工夫はしていたけれど、ミスリードを誘い切れていないというか中途半端だったので、真相が解明されてもあまり驚きを感じなかった。
その他、音楽はもともとこの作品自体がアリプロを意識して作られたものだから当然マッチしているし、作画も現代に合わせて綺麗に動いている。一クールという短い作品ではあるが、全体的にバランス良く描かれている良作だと思う。