三崎鳴 さんの感想・評価
3.1
物語 : 4.0
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
一緒にどこまでも飛べる気がしてた
犬村小六作ライトノベル「飛空士シリーズ」第2作『とある飛空士への恋歌』を原作としたアニメーション作品。内容は「ロミオとジュリエット」をベースにした空戦ファンタジー。ライトノベルのファンタジー作品は良作が多いと良く聞くが確かに広大な世界を表現しやすいジャンルではある。世界観と設定や雰囲気は魅力的だが、そもそもこの作品を1クールで描くことに無理があったようだ。全体的に駆け足で端折りも端折り、ダイジェスト版に似た形になっているため感情移入しにくく非常に惜しい出来になっている。作画は大いに崩れており制作スタッフが少ないのかあてられた時期が少ないのかは定かでないが制作側の苦労が見て取れる。戦闘シーンもイマイチ躍動感や緊張感といったものが欠けており、原作の良さを潰している。演出のバリエーションも狭く固定化されていて映像として見ていて面白くない。自分は原作未読だが脚本面では光る部分が多く見受けられたためおそらくアニメーションの制作側に責任があるのではないか、良作に成り損ねたなんとも惜しい作品である。