ninfami さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
泥臭い青春群像劇。努力と才能は水と油の関係なのか・・・・。
原作未読、映画未視聴です。窪塚(兄)さんの主演作品として有名な作品ですね。
この作品は卓球という世界に魅了されてしまった、5人のキャラクターによる群像劇です。ある者は才能がありつつも、現実から目をそらして落ちぶれてしまったり、ある者はヒーローの帰りをずっと待っていたり、ある者は周りの期待に応えなければならないという使命感で卓球をやっていたり、ある者は10やれと言われれば1000やってしまう努力家だったり、ある者は中国で落ちぶれて日本で卓球をやっていたり・・・・。その5人の誰もが、それぞれ苦悩を抱えて、葛藤し、追究し、自分のあるべき姿を見つけていきます。
この作品の大きなテーマは「努力と才能」・・・・私は時折、自分はどちら側の人間なのだろうと思います。努力は報われる、という考え方もありますが、私は努力は才能にはやっぱり勝てないのかなと思います。だからこそ「努力をすれば誰にだって勝てる」と信じていたキャラクターの姿には、何か苦いものがありました。2年ほど前に「さくら荘のペットな彼女」というアニメがありましたが、あれも「努力と才能」というテーマで作られていた作品でした。「ピンポン」という作品は、更にそのテーマを掘り下げ、萌えとラブコメ要素を排除した作品と言えます。
そしてもう一つの大きな見どころは、言葉遊びが巧みなところです。物語シリーズ、四畳半などの様なギャグ的な言い回しではなく、いちいちカッコいい言い回しをしやがります(褒め言葉)。幾つかは考察しないと分からないセリフもあるため、そこが作品に深みを持たせていますね。キャラデザこそ地味ですが、そのセリフのカッコよさがキャラクターに魅力を感じさせてくれます。ハッキリ言って、みんなチョーカッコいいです。
その中でも、私はやっぱりアクマが好きだなぁ。「・・・・少し泣く」