「ティム・バートンのコープスブライド(アニメ映画)」

総合得点
65.5
感想・評価
22
棚に入れた
128
ランキング
3309
★★★★☆ 3.8 (22)
物語
3.9
作画
4.1
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

結婚を間近に控えていながら死体に結婚の誓いを立ててしまった不運な青年のダークロマンス…

内気で気弱な青年ヴィクターが親の計画、
端的に言うと政略結婚に利用され
会ったことも話したこともない女性ヴィクトリアと結婚させられることになります。
ヴィクターの親は貴族の娘と結婚できれば自分たちも貴族の仲間入りだと喜んでますが
実はヴィクトリア家は没落貴族で一文無しだったのです。
おそらくヴィクター家より悲惨?w
お互いに相応の狙いがありながら政略結婚に利用される二人ですが
実際会ってみると惹かれあい結婚にも前向きになっていきます。
しかし結婚の誓いの言葉もまともに憶えられないヴィクターは
そのことで叱られ一人うす暗い森の中で誓いの言葉の練習をするのですが
その時死体の指に指輪をはめてしまって死体の花嫁を娶ってしまうというお話…

ヴィクターとヴィクトリア、そして死体の花嫁エミリーの
ちょっと…いやかなり奇妙な三角関係を描いたコメディテイストのダークロマンスです。

監督は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で有名なティム・バートン監督ですが
ディズニーではありません。ナイトメアー・ビフォア・クリスマスと同様に
ストップモーションアニメで製作されておりますが、
所々進化を感じられる出来になっており、
キャラクターの表情、動きに全体のクオリティなど
より滑らかに仕上がってる印象を抱きました。
単純にシナリオ一つとっても私はナイトメアー・ビフォア・クリスマスよりも好みでしたし
最後も綺麗にまとまってたように思います。
『ティム・バートンのコープスブライド』とはよく言ったもので
彼が思い描く一つの「愛」の形が詰まった作品になってます。
コメディテイストの純愛物語なんですよ、最後はじんわり感動しました。

エミリーに誤解され誓いを立ててしまってからは
死者の国へ連れていかれヴィクターはとまどいながらも
地上へ戻る手段を探ります。
エミリーにうまいこと言いながら
逃げ出そうとする気弱なヴィクターらしい行動が面白かったです。
勘違い花嫁のエミリーから逃げだそうとする様はコントみたいですが
それによって悲しむエミリーの姿にいたたまれない気持ちになりますね…
生者と死者じゃ最初から破綻した関係だったのかもしれないけど
結婚を夢見ながら寸前で殺されてしまったエミリーが可哀想に感じる。
しかも駆け落ちするはずの恋人に殺されたというから悲惨だ…

ヴィクトリアはとても素敵な婚約者だと思う。
ヴィクターが死体と婚約してしまったと知ると
彼を助けようと必死に行動しますが誰も信じてくれず涙します…

ヴィクターが行方不明になったことでヴィクトリアには
代わりの花婿が用意されるのですがその男はバーキス卿といって
エミリーの恋人だった男でわかりやすいほど金目当ての男でした。
おそらくエミリーのことも最初から金銭目当てで近づいて殺したんだろうね。

ヴィクトリアが結婚すると知るとヴィクターもエミリーとの結婚を決意します。
しかし誓いを立てるにはヴィクターも死ななくてはいけないのですが
意外にもヴィクターはあっさり承諾しました。
ヴィクトリアの結婚で生きる希望を失ったのか、
それともエミリーを愛しはじめたのか…
もしかしたらヴィクターはエミリーに親近感を感じていたのかもしれない。
ヴィクターもエミリーも結婚間近でそれを奪われたわけですし。

最後はバーキス卿もそれ相応の報いを受け綺麗に終わったと思います。
ある意味展開やオチは王道なんだけど
そもそも死体の花嫁という設定からして特殊ですから新鮮に楽しむことが出来ました。

体は死んでも心は生きている…
冷たい体に温かい心が紡ぎだすシュールなダークロマンス。
気分転換に少し変わった作品をお求めの方にオススメです!

【A80点】

投稿 : 2014/04/22
閲覧 : 563
サンキュー:

6

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