ローズ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
光輝くモラトリアム
大学の入学式にやって来た多田万里(ただ ばんり)。
入学式が終わり、同じ学部と柳澤光央(やなぎさわ みつお)と一緒に校舎に向かう途中に加賀香子(かが こうこ)が現れ柳澤を薔薇の花束で殴りつける。
過去に傷を持つ大学生・多田を中心に話が進んでいく恋愛青春物語。
作品には記憶喪失や人格障害が絡んできます。
記憶喪失になる作品は多いのですが入院を含めて1年留年しただけで大学に合格するのは大変だと思います。
小説にはよくある都合のいい記憶喪失。
交通事故によって記憶喪失になるのですが、事故前・後に分けられる人格障害があります。
事故後の大学生の記憶を持っている人格が無くなり事故前の人格に戻ってしまう時がありますが、作中では記憶喪失の症状で片付けられています。
事故前の人格に戻るのは作者の考えかもしれませんが、事故後の記憶が無くなる事は考えにくいです。
記憶喪失ネタの作品だと割り切ったほうがいいのでしょう。
新歓コンパやサークル勧誘、アルバイト、仲間で夏休みに海へ遊びに行くなど大学生らしいイベントが満載。
いかがわしい宗教の勧誘は有り得ないとか思いがちですが、学校の許可を得ないで紛れ込んでいる事が本当にあるそうです。(気をつけて下さいね^^)
大学の授業以外の楽しいキャンパスライフを描いているので、これから大学生になる若い人にとっては参考になるかもしれません。
少し過剰に描かれている大学生活ですが、最近の大学生はこのような感じなのかなぁと思ってしまいました。
話の基本軸は多田と加賀の恋愛物だと思います。
始めは柳澤に熱心だった加賀ですが、多田と接しているうちに多田と加賀が付き合う事になります。
過去に傷を持っている多田とすぐ一直線になる加賀。
傍から見ると典型的なバカップルですが、こういう甘い恋愛もあるのでしょう。
初めてのお付き合いらしくて初々しいのですが、さすがにベタベタし過ぎている感じもします。
当人達が幸せと思っているのであれば外野が口出しできる事ではないのですが^^;
記憶喪失ネタのある作品。
2クール全24話を使っています。
話をゆっくり進めて丁寧な心境の変化と受け止めるかダラダラと長い説明になるのかは視聴者の見方次第。
本作品を視聴するのであれば、じっくりと腰をすえてみるのがいいのでしょう。
好評と不評、評価が二分されるような作品だと思います。
本作品は『とらドラ』の作者である竹宮ゆゆこさん原作の作品。
期待値が高いのは分かりますが、本作品と比べるのは酷というものです。
長丁場で話の進展が遅いので、そんなにおススメできるとは思えません。
(特に中学生・高校生には大学生のイメージができないので厳しいかな^^;)
最後までキチンと観ると よくできた恋愛ものなのですが、面白くなるのは最後のほうなので完走できるかが問題。
中途半端に観るよりは覚悟を決めて最後までお付き合い下さい^^