plm さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
中二病じゃ恋ができない!
京アニ中二ラブコメディ、中二病でも恋がしたい! の第二期。
軽快なテンポと躍動感のあるアクションで、楽しく萌える!そんな作品。
一期終盤はシリアスパートで締めていったので、コメディパートが好きだった自分としては、
再びお気楽な掛け合いが観れることに期待を込めていた。
そうして蓋を開けてみれば、衰えぬ、いや磨きがかかったとさえ思えるコミカルな掛け合い。
めちゃくちゃ可愛い挙動と、バリエーション豊かな笑いどころにツボり、大喝采!
ほんといちいちキャラの動作が面白すぎる。
特に、一期では存在感の薄かったくみん先輩が何も悪いことしてないのに巻き添え食らったり、
のほほんとしたキャラクターのせいでぞんざいに扱われたりネタにされたり……
ちょっと憐みを抱かされるも、おいしいポジションになってて笑った。
5話の昼寝迷宮(シエスタ・ラビリンス)では主役になってて、これまた笑った。
ライバル同好会の会長がまた、適役というか、オーラあるというか……な中の人で笑う。
モリサマーのデビュー作戦も止まる所を知らず、凸守のギャップも面白すぎる。
そんなこんなでほんと楽しい作品。でもこれだけだと、あくまで「いつも通りの延長線」に過ぎない。
なので2期ならではの、イレギュラーな存在が用意されている。
それが七宮 智音である。
六花の恋は、やはりこの作品において重要な要素の一つのようだ。
そこで、恋の物語を進展させるためには今の状況を脅かすような恋敵をだすのが手っ取り早い。
焚き付け役に勇太とむかし仲が良かった女の子、なんていうのは適役じゃないだろうか。
そう七宮は{netabare}恋のライバル……かと思いきや?!初登場時にはあっさりと引き下がるのだった。
あれっ、と拍子抜けするところだろう。なんと七宮は安直な恋敵役として登場したわけではなかった。
七宮には「中二病じゃ恋ができない!」というテーマを背負わされていたのだ。
これは「中二病でも恋がしたい!」というタイトルに対するアンチテーゼになっている。
中二病でも恋がしたい六花に対して、中二病と恋は両立しないものだとする七宮。
恋の感情に身を任せたら、自分は中二病ではいられなくなってしまう。
七宮の葛藤はそこにある。恋という他人を慕う心を取るか、中二という自分の中の信条を取るか。
そこで幾度となく揺れ動きながら、七宮は選び取るのだ「永遠の中二病」であろうと。
これは恋に対する逃避ではなく、純粋に中二病が好きだから、中二病でありたいからなのだと思う。
中二病を愛した自分を捨て去りたくない、そう思えるから永遠の中二病であり続けられる。
七宮はそれに真っ向から向き合って、聖戦を戦いぬいたんだなと思う。これぞ魔法魔王少女たる所以。
そして、それが描かれたからこそ、
"中二病でも" "恋ができる" 六花の【邪王心眼恋人契約】は《特別》なのだ。
七宮が両立できないものだった、どんなに葛藤しても二者択一であった概念を打ち壊し、
「不可能」であるはずのことを『可能』にしてしまう答えだったのだから。
「中二病でも恋がしたい!」という命題に「中二病じゃ恋ができない!」というアンチテーゼが与えられ
中二病をして恋もする!という高次の段階へとアウフヘーベンされたのだ。
これが爆ぜろリアル、弾けろシナプス!概念をも打ち破る Vanishment Thesis World! というワケか。
まこと恐ろしきはゲルゾニアンサス……罪作りな闇の炎の使い手よ……!
※このレビューには中二妄想的主観が多く含まれております。ご注意ください。 {/netabare}