Lovin さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
見た感じ
■概要{netabare}
原案:山本寛
原作:Green Leaves
監督:山本寛
シリーズ構成:待田堂子
キャラクタデザイン:近岡直
制作:Ordet×タツノコプロ
話数;1クール全12話
OP1:「タチアガレ!」
by Wake Up, Girls!
OP2:「7 Girls War」
by Wake Up, Girls!
ED:「言の葉 青葉」
by Wake Up, Girls!
{/netabare}
■主な登場人物{netabare}
リーダー:よっぴー(青色:熊)
子役からモデルを目指していた
食いしん坊:みにゃみ(黄色:虎)
民謡クラブのアイドル的存在
特徴が無いのが特徴:あいちゃん(藍色:鮫)
主人公の親友で実家は和菓子屋
ヘタレ天使:みゅー(橙色:鷲)
メイド喫茶でアルバイトしていた
ヅカ志望:ななみん(紫色:狼)
ピアノを弾いたりレビューを見ている
姉御肌:かやたん(緑色:鰐)
大人びているが意外に血気盛ん
主人公:まゆしぃ(赤色:ライオン)
過去に傷を持ち話したがらない
{/netabare}
■感想
{netabare} 劇場版は未視聴でTV放送を視聴。劇場版を知らなくとも十分楽しめるが、視聴しておいたほうが理解し易いシーンもある。そして棒率が高い、いや棒というか発声というか・・・。リーダーなんかは全く違和感を感じず、むしろ上手いと感じるが、一部は如何にもアイドルらしい演技というか発声というか・・・。繰り返してしまったが、この作品に入り込めば気にならない・・・と思う。
ハッキリ言って面白いと感じた。最近多忙で余り時間が取れず今期の作品にも触れられていないのに、少し空いた時間はこの作品を視聴していて、既に数十回は視聴してしまった。何故面白いと感じたのか、それについて考えてみたい。
まずスポ根要素が強く、熱くなれたところではないだろうか。おそらく劇場版で描かれていると思うが、何となくスカウトされ、何となく結成して、何となくデビューしたメンバー。それぞれの認識の甘さを指摘されながらも、在るのか無いのかわからない友情で支えあい乗り越えていく。正に「努力」「友情」「勝利」の王道的なストーリーの「努力」が描かれていた。
私はこの作品が好きなのでそう感じるだけかもしれないが、次第に硬くなってゆくメンバーの結束力を以って「友情」も描かれていると思う。何となく集まったメンバーだけに目標もバラバラだった。メンバーの一人は「スキルアップのための活動」と明言するほどだったのに、他のメンバーの友情が深まっていくのを目の当たりにして本腰を入れる決意をしてしまう、そういったエピソードも描かれている。
あの結末が「勝利」と言えるかどうかは個人の判断次第だが、私は「{netabare}勝負に勝って試合に負けた{/netabare}」と思っている。そういう解釈で言えば「勝利」ということになる。そしてこれはグループとしての「勝利」であり、未視聴の劇場版に詳しく描かれていると思う主人公自身の過去に対する「勝利」でもあると思う。
クライマックスのライブで披露されるOP曲は、それまで何度も聴いているに一番熱くなった。それはライバル達にも伝わり、闘志を燃やすことになる。ライブ終了後のバックステージでは、出し切った充足感から自然に泣き出すメンバー、この一連のシーンには見ている私にも感極まるものがあった。(因みに歌い出しは「頑張って」と聞こえたが「がんばっぺ」と言っている)
私が最初に魅入ってしまったのは第3話だった。「みんなの妹」とコールされる食いしん坊の話だが、これがそこそこいい話でこのキャラに興味を持った。この食いしん坊は所謂「持っている」キャラで、くじ引きやクレーンゲームのシーンでその能力が遺憾なく発揮される。またこのキャラは一言で局面を変える空気を読む才能もあり、見ていて飽きないキャラでもある。(OP1ではスタジオで陽気に「コマネチ」をするカットもある)
それ以外にも少し気になったキャラが居る。第1話で中心となっていたヘタレ天使だ。第2話以降、特に後半、主人公の関連話が濃くなってくるとモブ化したのかと思うくらいキャラの主張が減るが、クライマックス前に彼女の部屋が5秒程度の短いカットながら出てくる。彼女のキャラや元勤めていたバイト先などとのギャップを考えると、背負っているものの大きさを想像してしまって熱いものがこみ上げてくる。
震災復興支援作品として語られる側面を持つ本作品だが、私はそういった要素を強く感じたことはない。聖地が仙台なので、街の風景やキャラの過去設定に於いても、爪跡の描写は避けられない。しかしそれらの殆どはポジティブな結末となる。そういう意味では復興支援なのかもしれないが、作品としては上手く取り込んでいるように思う。勿論EDの歌詞にもあるように、考えなしで言及すべきではないと思うが。
最近の作品にありがちなパロディ(オマージュ?パクリ?)は少ないが、ヘタレ天使がヲタなので若干はある。余り意識はしないが、解り易いものは気になってしまう。一つだけ、第3話の冒頭のシーンについてはパロディなのか迷っている。私としては佐々木倫子のマンガのパロディに見えて仕方が無い。
本作品にはOPが2曲ある。OP1は短調(だと思う)で物悲しく聞こえるし、第3話から変わるOP2はOP1とのイメージが違いすぎて戸惑ったので、優しいメロディと意外に力強い歌詞のEDの方が良い曲だと思っていた。しかし作品を最後まで見てからは評価が一変した。作中でOP2を作ったとされるキャラは「もっといい曲ができた」と言っていたが、曲のタイトルからしてグループのために作った曲であり本当に良い曲だと思った。
ここまで褒め倒してきたが、残念な部分が無いわけではない。主人公の母親の心境についての描写が無く、回が進む毎に「あれ?」と思ってしまう。主人公の過去に深く関わっているのだから、2~3秒程度の表情の描写だけでもあれば、印象が違っていたのではと思う。あと{netabare}Twincleに書いてもらった2曲目が殆ど流れなかった{/netabare}こと。折角なのでフルコーラス聴いてみたかった。
スタッフは2期をやりたがっているし、私も見たいのだけれど、BDを購入するかと聞かれれば今のところはNoである。かなり好きになったのは事実で、はたまおクラスの好きさ加減ではあるが、BD購入に至るにはまだ何かが足りない気がする。今はまだ何度見ても飽きることは無いし、保存版として購入することに問題は無いのだが・・・
今まで見たアイドルアニメであるアイカツ、ラブライブと比較した場合、一番泥臭いのがこの作品だが、一番面白いと感じたのもこの作品だ。暇があれば見たい、程度の方に奨められるかどうかは疑問だが、気になっている方や迷っている方に面白いのかと聞かれたら、私は迷わず奨めると思う。
{/netabare}
□2014/06/03追記
{netabare} 少し前に、ようやく逆上せた熱が冷め始めて改めて思ったが、やはり作画は余りよろしくなかった。余り細かいことを言うつもりはないのだが、表情が微妙なシーンが幾つかあったのと、一番目立ったのがライブシーンで3F席辺りからのアングルのカット。かなり熱を帯びた見方をしていた私も流石に「ええっ?!」とマスオさんのようになった。
{/netabare}
□2014/08/10追記
熱はまだ冷めていないのか、思い出補正が強烈過ぎるのか、頭の中でOP2がリフレインすることが未だにある。そして、1期では幸運が舞い込んだ瞬間にラストを迎えるので、2期をやるならどの辺りからだろうとか、2期で完全に終わってしまうのだろうかとか、相変わらずこの作品のことを考える。更には再び鑑賞し始めている。
以前のレビューで「アイドルを描いた作品」と書いてしまったが、「アイドルを目指す人を描いた作品」と言うのが正しいのかもしれない。そんな「人」を描いたこの作品が、私は本当に気に入ってしまったのかもしれない。ここまで来るとステマと取られても仕方がない。とはいえ好きなものは好きだからしょうがない。
■蛇足:{netabare}
監督には場外乱闘があったようだが、この作品の監督を務めるには十分だと思う。
□2014/08/10追記
そして私は、カラオケでOPを歌おうとすると、嗚咽を催しそうなくらい泣きそうになるので歌えない。
{/netabare}