nani-kore さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
残酷な薄倖が絶妙なスパイス。。真性Sか;
シリーズ中の最高傑作と謳われる本作、期待を裏切らない素晴らしさです。
作画の美麗さは言うまでもなく、ストーリーもスゴかった。
本シリーズの特徴ともいえる、胸に突き刺さる程の残酷さが際立っています;
そして困ったコトに、物語が残酷であればあるほど黒く光り輝くのです。。なんてドSなアニメでしょう;;
今回の物語の主人公である少年、ちょっと可愛らしい容姿で、一体彼がどーなるのか、予告編から楽しみにしていました。
このシリーズの主要人物になる時点で、ロクでもない運命が彼を待ち受けているのは予測できましたが。。想像以上でした;
可愛い容姿のみならず、とても健気で良いコなのです。
こんなエエ子がなんで?って思う位、悲惨な目に遭います;;
第3章の不感症少女も充分悲惨でしたが、彼の運命の残酷さは、それを上回るものでした。
少年の悲惨さが際立つのは、彼が本来、極めて平凡で健全な少年だったという事実にも起因していると思います。
不感症少女は最初から病んでいて、非凡な能力を持て余していましたが、少年は何の力も持たない平凡な少年でありながら、彼と彼の家族を陥れた残酷な運命に真っ直ぐ立ち向かっていました。
その健気さが、人の心を打つのだと思います。
そして、そんな非力な少年の勇気など、不可抗力にしか過ぎないという残酷さが、この物語を貴石のように黒光りさせるのです。。何て劫の深い傑作でしょう。
平凡で、ただ不幸の只中にいる人々の運命を残酷に弄んだ、荒耶宗蓮の所業は万死に値すると思います。
では、彼が元から悪人であったかというと、そうではなさそうなエピソードが、彼自身の回想シーンとして何度も表れました。
つまり彼は悪人ではなく、道を間違えただけなのでしょう。
本来、非力な人間の悲惨な運命への憐みを強く抱いていた人間が、理不尽に人を悲惨な運命へと陥れてしまうという荒耶宗蓮の悲劇は、この残酷な物語に深みを与えていると思います。
次は第6章、カソリック系の女学院が舞台みたい。
お嬢様方に萌えられる、殿方がうらやまスィ~