「イーハトーブ幻想〜KENjIの春(アニメ映画)」

総合得点
67.9
感想・評価
28
棚に入れた
238
ランキング
2299
★★★★☆ 3.7 (28)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.4
音楽
3.7
キャラ
3.6

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

『新しい時代のコペルニクスよ、あまりにも重苦しい重力の法則から、この銀河系統を解き放て!』

『雨ニモマケズ』や『銀河鉄道の夜』で有名な宮沢賢治の半生を描いた作品。所要時間は1時間程度。

宮沢賢治生誕100周年記念の作品なので、
大前提として、賢治の人生や作品についての予備知識がないと楽しみ半減です。
というか、きっと意味不明です。
Wikipedia等で予習してからの視聴をオススメ。

劇中では、明治の貧しい岩手の農村風景と、
童話作家である賢治のファンタジックな空想シーンの対比が印象的。
中盤のペンシルアニメーションを使った空想パート、
そして終盤のCG銀河鉄道の発車シーンは、まさに圧巻のひとこと。
未来を担う若者に向けた『生徒諸君に寄せる』という詩の一節『新しい時代のコペルニクスよ~』の引用は、教育者としての彼の人生、理想、想いをすべて込めた、未来へ贈る魂の一撃。
鳥肌立ちました。

キャラが擬人化猫である点は好みが別れそうですが、仮にシリアスなキャラデザだったら、
きっと重すぎて見てるのが辛くなる物語なので。。。
「にゃ♪」が可愛いし。。w






ここからひとりごと。

大人になって改めて宮沢賢治作品を読み返しましたが、独特の世界観に改めて衝撃を受けました。
そこらに落ちてるステレオタイプなファンタジーとは違って、彼の確かな世界観と天性のセンスに溢れています。
『銀河鉄道の夜』だけでも、白鳥の停車場、プリオシン海岸、アルビレオ観測所、蠍の火、などなど、ネーミングだけで幻想的に感じません?

理想と現実に苦しんだインテリっぽい生き様ですが、死の前夜まで農民の相談に乗り続けた彼の人生は
まるで気高く静かに燃えあがる、青白い炎のよう。
そして『雨ニモマケズ』で語られる、平凡にして完成された理想の人間像。

もちろん美化されてる部分は多々ありますが、100年も前に、こんなに美しく幻想的な物語を書いた人って、すごいと思いません?

投稿 : 2011/08/18
閲覧 : 1121

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