無毒蠍 さんの感想・評価

3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

木の人形「ピノキオ」による、愛と勇気の冒険作品。

世界的に有名なディズニー作品ピノキオ！
キングダムハーツくらいでしかディズニーに馴染みのない私ですが
ジブリを観てたらディズニーも観たくなってきたのでブルーレイを購入してみました。

多少ノイズが減ってればいい程度の気持ちで購入したのですが
驚くほどきれいです、ディズニー初期の作品でこの美しさは凄いですね。
ノイズがまったくといっていいほどありません。
ピノキオは1940年の作品なのに古臭さも感じず、
むしろ類似作品が見当たらない独特の空気感もあるので
新鮮さすら感じるくらいです。
本当に今から74年も前の作品とは信じられませんよ。

私も子供の時に観た記憶はありますが
大人になってみると感じ方も変わってきます。
この物語は人形職人ゼペットの作品「ピノキオ」が
女神によって命を吹き込まれ本当の人間の子供になるための
愛と勇気の優しい冒険作品です。
ゼペットはとても素敵なお爺さんでそれを見ていた女神が
お爺さんの願いを叶えピノキオに命を吹き込んでくれるのです。
ピノキオが勇気を持ち正直でいればいつの日か人間になれるだろうと…

ディズニー作品はキャラクターが歌って踊って楽しいですね。
言葉遊びも面白いし縦横無尽に動いて作品を盛り上げてくれます。

この作品の語り部役＆ピノキオの良心として
コオロギのジミニー・クリケットというキャラがいます。
彼が女神やゼペットに代わってピノキオの良心として
善悪を教え導いていく…というよりは、
ピノキオに置いてかれないようについていってるだけｗ
しかしそこがいいのです、
ジミニーの助言もむなしく悪人にそそのかされるピノキオに
もうしらん！勝手にしなさい！など文句を言いながらも
決して見捨てることはありません。
見捨てようとしても別れの挨拶くらいはしとかんとな…
という感じに気にかけてくれてます。
どんな時でもそばにいて見守ってくれてるジミニーは
ピノキオの良心でもあり両親でもあるのかもしれません。

でも生まれた次の日からピノキオを学校に行かせるというのはすごいなｗ
前日ジミニーに世の中には誘惑がいっぱいということを教わるんですが
さっそくピノキオを悪人の誘惑が襲うのです。
小さい子の教育に良さそうな内容だと思いました。
その誘惑にのったピノキオは売られ芸人として金儲けに使われます。
ジミニーや女神の助けもあり逃げ出すピノキオ…
もう誘惑なんかにのらないぞ！と決意するピノキオですが
すぐさま誘惑に負け悪人に遊園地につれてこられ、
そこで不良の少年と仲良くなり悪い遊びを教わり不良になります(笑)
悪いことするの楽しいね！なんて言ったりします。
悪人たちは不真面目な子供を集めロバに変えて儲けていました。
このシーンは子供が観たらトラウマだろうけど
悪いことするとバチが当たるという教育的内容になってて面白かったです。
悪人が不真面目な子供をさらってロバにするというのも怖いけどメッセージ性があるなぁ。
嘘をつくと鼻が伸びるというのも教育的メッセージを感じます。
仲良くしてた不良の子供がロバになっていくのを目の当たりにして
目を覚ますピノキオだけどこのシーン怖いｗ
さっきまで生意気だった不良少年が
ギャーギャーわめいて母ちゃん母ちゃん叫びながらロバになってく…
他の子たちもロバにされるんですがピノキオは逃げることに成功。
そう、逃げるんですよねｗ
この結末も怖い…普通だったら悪人を倒してロバにされた子供たちを
助けるんでしょうがピノキオという作品はそうじゃなかった。
あの子供たちはその後ロバにされて売られたんだと思うと怖いです。

なんとかゼペット爺さん宅まで戻ってきたピノキオでしたが
ゼペットさんはピノキオを探してクジラに食べられちゃったらしい(笑)
ここらへんはよく憶えてました、昔観てて怖かった記憶がある。
子供のころは怖かったけど今はゼペットさんのたくましさのほうが気になるｗ
クジラの腹の中で魚を釣って生きてたとか…
ここまでくるとピノキオも成長してるので勇気を出してゼペットさんを助けます。
自分がおぼれそうになってるのに
ピノキオの心配をするゼペットさんは素敵だなぁ。

ラスト3分で人間の子供になりハッピーエンド。
ピノキオの冒険に道徳的メッセージ性も絡め、
愛と勇気と心のつながりを描いた素敵な作品だと思います。

【A80点】