セレナーデ さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
B級好きとして越えるべき壁
――視聴完了後更新――
時間を無駄にするつもりで全部観ました。結果からいうと時間の無駄でした。
正直お兄様だけなら余裕で面倒みれます。周囲から憧憬と驚嘆と畏怖の眼差しをかっさらうためだけに立ち回るブレないパフォーマンスが大変ステキです。期待したとおりのB級センスでした。
しかしそれ以上に「会話」「セリフ」、これが決定的致命的につまらない。内容がどうというより、ストーリーの進行を会話のみで処理しようとするもんだから非常に退屈。ストーリーが現在どの方向を向いて進んでいるのか具体的なイメージがつかめやしない。画的にも話の内容をアニメーションやイメージ画像で具現化したり図解化したりする努力をせず、しゃべってる人間の澄ました顔面か聞いてる人間の薄いリアクションしか映さないからよけい内容が頭に入らない。内容が頭に入らないからいざテロだの奇襲だののトラブルが発生しても唐突感しかない。唐突感しかないからなんか知らんがお兄様の見せ場キターくらいにしか心が反応しない。会話シーンの芸のなさが作品をトータル的にもB級嗜好的にも退屈にしています。会話だけでストーリーを推進させること自体は悪いことではないとは思いますが、それを支える、表情の作画、演者の演技なども含めた総合的な演出が、本作の場合求められる水準に達していないかったように感じます。
当初は、恥ずかしい言動をおしげもなく披露しちゃうお兄様の御身に、B級愛好家としてこの作品は完走してやろうという意味不明な使命感を覚えて観始めたわけなんですが、完走してみればただただ苦痛な全26話でした。まぁこんな仕上がりでも「なんじゃこりゃつまらねー」ってビール片手に指差しながら笑えるくらいの肝玉を持ってる人が、真のB級愛好家と言えるんでしょうね。精進します。
ちなみに、ある意味でネタとしてお兄様以上にで期待していた「劣等生のドヤ顔による優等生のぐぬぬなリアクション」。こっちはちょっと食い足りなかったです。序盤は事足りてたんですが、中盤以降は、劣等生と優等生、双方の扱いが同格に収斂されていったので、差別的不和から生まれる面白みがなくなりました。そういう意味で、優等生サイドキャラである森崎くんの出番が少なくなったのは残念でしたねぇ。高いプライドと選民意識を持ち合わせた彼は、劣等生と見下していたお兄様に返り討ちにされてぐぬぬする姿が似合う最高のかませキャラでした。ぐぬぬ要員としても、お兄様の魅力のブースター係としても、彼のようなキャラがもっと量産、尊重されて欲しかったですね。
――以下2話目視聴後分――
キービジュアルの時点からどことなく溢れるIS臭に、本来なら食指が伸びなかったんだけど、
たまにはあーゆー感じのクソアニメを観るのもいいかなーなんてノリでうっかり観てしまった。
なんていうか、もうあれです。
『兄妹だけど妹が早生まれなもんで同じ学年なんですわ』とか
妹の頭なでなで頬すりすり、をどれだけストレスなく受け入れられるかってとこから、
色んな意味でふるい掛けられた気分。
そんでその上に「俺TUEEE」の厨二っぷりですよ。
もう、雰囲気だけでお腹いっぱいになりそうなほどの。
この厨二っぷりを、
「なるほどこういうアプローチで来ましたか」と冷静にジャッジできるか、
「なんだこの厨二アニメはwww」と無意識なりにでもwktkしちゃうかで、
経験値的なものを測られてる気もするし、
「あぁ、厨二だねぇ・・・」と温かい目で見守ったりスルーできるか、
「なんだこの厨二アニメはwww」とバタバタ騒いじゃうかで、
精神年齢的なパーソナリティを測られてるような気もするし。
わたくしとしては、恥ずかしながら圧倒的にバタバタ騒いじゃった方の後者で、
免疫のない自分には、もーなんか見てらんないっていうか、
恥ずかしくなるくらいドギツイ厨二。ていうか、そもそも厨二というのを
ここまで真っ直ぐ展開した作品に触れるのは、これが初めてかもしんない。
お話的には、いわゆる主人公最強なやつ。俺TUEEEE単体では大したことないんだけど、
優等生と劣等性という非っ常~~~に分かりやすいセクションを設けてるとこが、
自分の中で厨二ポイントをがっつり稼いでるところで、
それは要は、例えるならばですよ、
優「優等生の俺らはお前らとは才能が違うんだよ」
主「こんなことできちゃいますが何か?」
優「ぐぬぬ・・・!」
てなもんで、それはつまり
A「洋楽聴いてる俺はお前らとは感性の高尚さが違うんだよ」
B「クラシック聴いてますが何か?」
A「ぐぬぬ・・・!」
という、まぁそういうわけです。
能力的に凌駕してみたり、全然違う土俵で物事を考えてます的な態度で持って相手をぐぬぬさせる。
このぐぬぬこそ本作の真髄ではないかと思うし、そういう作品なのですよ的な雰囲気を醸し出してる時点で、ある意味大勝利してる作品なんじゃないかとも思うわけです。
2話まで観てますが、はっきり申しまして真面目に観る分にはちとつらいんですよ、これ。
でも、チンカスアビリティなりに「B級好き」を名乗ってるわたしとしては、
これは観とくべきやつなのかもしれないと、変な使命感みたいなのを感じてたりして。
てかB級て概念を引っ張り出してメタ的に楽しんどかないと気持ちよく完走できる気しない。
ここまで厨二のお膳立てが出来てるんだから、
もうこうなったらとことん厨二の汁を吸わせてくれ!厨二を貫いてくれ!って気概なもんで、
今後の期待としては、変にまともにかっこつけないでくれるなよっていうか、
下手にクオリティを上げて欲しくないという自分でもちょっと何言ってるか分かんない状態です。