「電脳コイル(TVアニメ動画)」

総合得点
83.9
感想・評価
1968
棚に入れた
11176
ランキング
309
★★★★☆ 3.9 (1968)
物語
4.2
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

蓬(Yomogi) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイトルなし

いや~。これは見事ストライクゾーンでしたね。
プロフィールを見てもらえば分かるけど、ジュブナイルに死ぬほど弱い。
ローティーンの少年少女冒険譚は永遠の夢ですね!!!(力説!)

お話は2026年でメガネ型コンピュータが実用化した世界。
電脳メガネを使いこなす子供たちがメガネの秘密と都市伝説を探るストーリー。

ちょっと話はずれるけど、エヴァで一番好きな話はどれかと聞かれたら、自分は13話「使徒、侵入」だ。
当時のアニメ雑誌に「13話は脚本の○くんのカラーでSF色が一番強い回になった」とあった。

そのとき初めて「そうか自分はSFってジャンルが好きなのか」と認識。
しかしよく考えたらSFが好きというよりも、あの13話のハッキングとかコンピュータとかの話が凄く好きなのだと攻殻を見て考えを改めた。

その○くんというのがこの「電脳コイル」の監督の磯光雄さんだと気が付いたのは最近。
ジブリ風攻殻機動隊と某所で言われてたけど、前半はまさにそんな感じ。

子供を中心とした電脳メガネの事件を追う展開で、コンピュータ用語が容赦ない。
特に4話のイサコvs黒客とイサコvsフミエちゃんの電脳戦の迫力は攻殻SACの電脳戦よりスゴイ!
後半はなんとホラーサスペンス要素が強くなり、雰囲気が変化。
ラストまで予想がつかなかった。

絵のタッチが丸みを帯びた柔らかい線で、素晴らしい作画クオリティ。
これをいったん見てしまうと下手なアニメはちょっと見れないくらい。
動きの気持ちよさ、表情の愛らしさ、演技のかわいさは劇場アニメかと錯覚するほど。

しかも服のしわが独特な付け方で、腕の部分はスクリューのようにネジれる。
スカートの裾はプリーツならプリーツらしく、ボックスならボックスらしく翻り、かなり凝っていて見ていて素材が良くわかる。
色彩も美術も彩度を落として柔らかく暖かい世界観を作っている。

登場人物は全員可愛い。
ヤサコもイサコもフミエちゃんもダイチくんも超可愛い。
しかしなんといってもハラケン!!!
小学生にしてあの色気はなんですか!!
いかんよ、小学生男子相手に、落ち着け自分。
理系、眼鏡、痩せ形、面長、ボーッとしてる、頭良い。
だめだ、そろいすぎ。

いや、このアニメはキャラクタが全員可愛くて、キャラ語りをしたら止まらなくなりそう。
イサコも男子顔負けの強気な女の子なのに髪型がツインテール!
しかもデニムのジャケットの下は白のタンクトップ。
デニムのミニのタイトスカートなのに立て膝とかしてるし、見えちゃうから!!
デンスケも可愛過ぎる!感情移入するなって言う方が無理!!

……やっぱだめだ。ちょっと落ち着こう。

心という物を丁寧に描いた作品だと思う。
手で触れる物だけが本物、という結論にならなかったのは良かった。
ここまで電脳世界を描いておきながら「画面の中にある物は偽物、現実だけが本物」という結論ではあまりに悲し過ぎる。
心の本質を考えれば、むしろ触れられない物の方が大事な物なのだと思う。

ラストの「痛みを感じる方向に出口がある!」という台詞が印象に残った。
痛みに向かって進めるか?難しいよなあ…。
でも甘い子供時代から一歩踏み出すためには胸の痛みを抱える覚悟をしなければならないのだと、妙にしんみりしてしまった。

最後に、やはりキャラクタの魅力が素晴らしい作品だったと思う。
だからこそ後半フミエちゃんたちがスルーされてしまっていたのが悔やまれる。
猫目兄弟も前半から登場してほしかった。

NHKなのでそのうち再放送すると思う。
正統派ジュブナイル、サイバーパンクが好きな人はお勧め。

こういう作品をみると本当に日本に生まれて良かったと思います。
大満足!!!

投稿 : 2014/04/15
閲覧 : 285
サンキュー:

4

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