「涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
7761
棚に入れた
33264
ランキング
81
★★★★★ 4.1 (7761)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

蓬(Yomogi) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

作画について。
とにかく絵が綺麗でこの上なく絵柄が安定している。
このクオリティでは誰が作画監督でも同じ。
デッサンも狂いなし。

色も細かい。瞳のハイライトは4つ以上は入ってるし、虹彩にグラデーションがついてる。
しかも後から顔面にフレアをかけている。
おかげで光の表現が凄いことになってる。

ライブアライブのライブシーンは圧巻。
鼻の穴がないキャラデザなのに法令線や上唇の影を描くとは驚かされた。
このシーンはカットもよく研究されていて、サイドのカメラは手ブレしていて臨場感がよく出ている。
あとドラムの早い動きの残像も珍しい表現。

あとEDのダンスも良い。
ここまで凝った作画だと何回も見てしまう。
初めて秋葉原の街頭で見たとき、あまりの滑らかさに唖然としたのを覚えている。
モーションキャプチャとは違う滑らかさがあって、出来そうで再現できないアニメ動きが見ていて気持ちいい。

女子3人のプロポーションが全然違うのも良い。
ハルヒは引き締まったカモシカみたいなメリハリのあるプロポーション。
みくるはぽよんとして女の子らしい柔らかいお餅みたいな体型。

演出についてもセンスがいい。
抑えるべきところは完全に抑えている。
前衛的過ぎないのが物語りにあっている。

しかし一番の立役者は脚本だと思う。
この部分をこう構成するか、と感心しきり。
非常に良い仕事だったと思う。

一番最初に「ブギーポップ」に似ていると思った。
内容が、というより物語の文法が。
全体的にやっぱ「今」の高校生の話なんだなあ、と感じた。
キョンが凄くリアルな男子高校生だと思う。
礼儀正しく大人しく、ハングリー精神も覇気もなく、落ち着きがあって優しい。
そしてちょっとしたことが幸せだと感じる、そんな達観した様な今時の若者。

ライトノベルは浮沈の激しい業界だから世相を映す作品が出ては消える。
そういう意味で90年代不況の申し子が「ブギーポップシリーズ」、2000年代ネットの申し子が「涼宮ハルヒシリーズ」なのだと思う。
ノリは違うが読み手のニーズと記述の構造は全く同じ。

現実の高校生のリアルを捕らえ、そこに展開する世界系の設定を人間関係に絡め、青春特有の感情(恋とか友情)を強く訴えかける作品。

ライブアアライブのラスト「なんかやってるって感じはした」というハルヒのセリフで評価が一気に上がった。
これから先の展開がどうなるのかは知らない。
ただこのセリフでハルヒが日常に着地してくる予感を感じさせてくれただけで良い。

良い作品だな、と思った。とても面白かった。

さて、自分はこの作品で初めてツンデレの醍醐味が分かった。
ツンツンしてるけど本当は仲良くなりたいのが周囲にバレバレじゃないとツンデレとは言わないのね。
ハルヒのキョンに対する接近の仕方が可愛すぎる。

投稿 : 2014/04/14
閲覧 : 297
サンキュー:

9

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