蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
オリジナルシナリオということでシリーズ構成の岡田磨里の手腕が問われたが、正直肩すかしだった。
主人公と対になる設定のキャラクターの登場は魅力的だと感じたし、途中まではアロイスの強烈さがよく働いていたと思う。
しかし、話の筋が2転3転してしまい、最終的な敵役が一体誰なのか分からなくなってきた所で展開がダレてしまった。
特にクロードがアロイスよりシエルを優先させることによって、アロイスの噛ませ犬が決定づけられてしまったのが残念。
人物は位置はよく出来ていたと思えただけにもったいない。
記憶喪失からのオリジナルストーリーは厳しかったと思われる。
落としどころとしてシエルの悪魔化は想像通り。
しかし個人的には、言っては何だが大変悲しい。
黒執事の良さというのは、悪魔のセバスチャンが人間のシエルに従属している、その危うい主従関係が醍醐味のはず。
クロードの裏切りもそうだが、人間が悪魔を服従させている、という背徳がなくなってしまっては元も子もないのではないか?
はっきり言おう。
今回のオリジナルストーリーはシエル至上主義を貫いたばかりに、シエルに感情移入している腐女子が喜びそうな同人誌展開で完結していた。
そんなものは同人誌でやればよろし。
キャスティングについては豪華かつ面白い。
主人公を坂本真綾。その対になる敵役を水樹奈々。
子供時代から芸能の道に進み、歌唱も演技もこなす実力派声優は、その声質も歌の魅力も全く異なる。
この競演はそういった意味でも注目していたのだが。
まあ、ぶっちゃけますと、葛藤のなくなったシエルには全ての魅力がなくなってしまいましたよ。
だから最終回なのかな。