雷撃隊 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
セル画最高の航空アニメ
とある飛空士への恋歌でストレスが溜まったのでお口直しに見返した。いやー、解かってる人の作品はいいものだ。当時はCGが凄いと評判だったけど今見ると作画による空戦がスバラシイ。航空自衛隊の協力と米軍基地まで取材にいき実際に戦闘機に搭乗した経験から出来上がった航空機の描写は圧巻だ。VF-11サンダーボルトはスホーイ27フランカーだ。YF-19なる機体のモデルはⅩ-29ATDという実験機だ。前進翼なのですぐ解かった。カラーリングも白地に赤黒のストライプで実機同様だ。YF-21はF-22ラプターがモデルだ。カラーリングは青に黄色のライン、航空ファンならピンとくるだろう。アクロバットチームブルーエンジェルスのカラーだ。形状はV尾翼とテニスコート状の背面と三次元ノズルとほぼストレートに踏襲。さらに主翼のフラップはXB-70バルキリーという爆撃機と同じ特殊可変翼だ。こだわってるねー。キャノピー、コクピット、着陸脚、ベルト式給弾装置、空薬きょうの排除まで後の「F」よりも芸が細かい。テスト機ならではのアクロバット飛行の描写も感動する。後半に主人公のイサムが「エンジンを切って風に乗る」という技を披露するがこれは実在するアクロバット飛行の技術だ。このシーンが一番好きだなー、何回見ても感動する。とにかく空の深みと飛行そのもののロマンが満喫できる。セル画による板野サーカスの極みだろう。
音楽面では菅野よう子さんのアニメデビュー作で衝撃受けた。歌もロックからテクノまで幅広いしオーケストラ曲が空と飛行機の映像にマッチしていてシンクロ感が半端じゃない。それもそのはず。曲を先に作り後から映像を当てはめたというこだわりよう。完璧なわけだ。カウボーイビバップの渡辺監督の演出も落ち着いた中にもオシャレな雰囲気がありまた良い感じ
初音ミクが世に出たとき、バーチャルシンガーのシャロンを思い出した人多いのでは。ちなみにシャロンのボーカルは新居昭乃さん。伴奏はマシンぽいけど声は人間的(褒め言葉ですよ)。アイドルポップ調じゃなくバンドっぽくてカッコイイ。彼女の歌に乗せた飛行シーンもシンクロ率高い。
飛ぶことそのものの楽しさと空の深さ、戦争映画でもロボットものでもなく一本の航空映画というのが相応しい。でもバルキリーがほとんど変形しないのでロボもの期待すると不満な人も多いかも。映画、OVAともに一長一短なので前半はOVA、後半は映画がお勧めだ。長さも短く難しい専門用語も少ないし結構一見さんに優しいかも。マクロスっていうブランドもメジャーだしアニメに興味あるけど何見たら良いか迷ってる人にお勧め。
ハセガワさん、YF-19だけじゃなく21も1/48スケールで発売してくれー、このままじゃ生殺しだよー。