蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
予測のつかない展開で最後まで緊張感を維持できたのできちんと面白かった。
キャラクタも比較的立っていたし、ストーリーも起承転結があって良いと思う。
作画に関してはCG使いが目立っていたが、よくなじませていた。
演出はもっと奇抜な物を期待したが落ち着いた物だった。
設定が奇抜なのでこのくらいの普通さで良かったのかも。
ストーリーと設定について。
正直、非常にもったいないと感じる。
設定は公式HPを見てようやく理解できる程度の複雑さで、アニメを見てるだけでは全然分からなかった。
設定が分からないとバトルシーンは完全に冗長だし、キャラクタの行動原理も飲み込めない。
設定が分かるとそれなりにキャラクタが考えてこうどうしてしゃべっているのが分かって凄く良かったのに。
どうしてこんな複雑な設定を物語上で生かしきらなかったのか。
「未来を担保にする」「未来を買い戻す」など抽象的な目的に主人公たちが動くのだが、それすら最後まで今一分かりづらい。
お金の仕組みを少しでも知っている人間ならば、終始頭に疑問符がついて回っただろう。
SFアニメとしてもバトルアニメとしても社会派アニメとしても、物凄く中途半端感が否めない。
主人公の頭が悪いのもその大きな一因だ。
主人公の巻き込まれている現象と、本人の認識に温度差がありすぎて、何をしても感情移入がしにくい。
だからといって敵役の理屈も明らかに貧弱で興ざめする。
結局、経済ってなんかビッグで物凄いことなんだぜ、といった中学生程度の感想をいだくのが関の山なのではなかろうか。
かなり辛口に感じるかもしれないが、自分はこのアニメに期待していたし、ある意味今までにない切り口だったとも思う。
しかしやはり経済のダイナミックさや人間の意志と市場の原理の関係性を考えた時、超自然的な解釈(今回はミダス銀行=悪魔)のような描き方は、その醍醐味をまるまる失っている。
仮に超自然現象を取り入れたとしても、それを逆手に取ったミステリ的な解決方法をとって欲しかった。
特定ジャンル物語の面白さのひとつは知らない世界を見て新しい知識を得ることだと思う。
経済を標榜するアニメならば、見ると経済を語りたくなるくらいの知識を詰め込んで、なおかつエンターテインメントに仕上げるくらいの手腕が脚本家には欲しい。