蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
少女漫画路線に活路をみいだしたプロダクションIGの最新作だが、これもしっかり作られた良作。
以前にも書いたが、この主役の女の子の声優は本当の子供を使用しているとのこと。
ビックリするほどナチュラルな幼女の演技に毎回耳を疑う。
この配役だけでこの作品の成功は保証されていたのではないか?
絵はアバンのみがアナログタイプ(主線がえんぴつ風で色付けが水彩風)の作画になっており、原作の雰囲気を伝えようと画面作りに挑戦しているのが分かる。
また子供の表情のデフォルメ具合などにも愛らしさを追求した可愛らしさで、見ているだけで癒される気がした。
内容は原作の途中までだったのだが、乳歯が抜けるというメモリアルな回を持って綺麗に収まった。
新しい人生を歩み始めたりんが大吉に見守られて子供の歯が抜ける、というのは最終回として最高の象徴だと思う。
あくまで現実的な話として、子育てに伴う会社での残業負荷や子供の病気への対応など、ストーリー展開が終始好感が持てた。
子供を育てる、人の親になるというのは大変なことであるけれど、一番大事なのは一緒に生きていこうという、大人の方の覚悟なんじゃないかと思ったりもした。
そのなかで、りんを捨てた実の母親についても同じ女性としては結構共感できる所が面白い。
感想の多くは子供を捨てる母親を非難しているが、自分はこの女性を責められないなあ、と思ってしまった。
人の親に向かない人間だって子供が出来ちゃうときはあるんだし、子供が出来たからといって全員が聖人君子になれるわけじゃない、と自分は思った次第です。