ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あの蟲師が帰ってきた!
続章開始直前にレビューしようと思って放置していたら
早いもんで続章始まっちゃいました(--;
蟲師1期が2005年
原作の完結が2008年
1期で5巻分をアニメ化したので
完結でその倍の10巻になり再アニメ化に期待したものの
そのまま音沙汰が
ないまま5年以上過ぎました
もう2期は無いものとはっきり諦めていたところに
今回の特別編と続章制作の知らせで驚きました
さらに今回の特別編のためにアフタヌーン本誌に
前後編の読み切りも載りました
もっとも読み切りといっても元々が短編連作なので
普段の倍のボリュームです
今回の特別編「日蝕む翳」のテーマは終わらない日食
無くてはならないが、あることが当たり前すぎて
無くなることが考えられないようなものが
ある日突然失われてしまうお話
本当に大切な日常が失われることを
それがどんなに大変なことか想像することは難くないですが
実際に自身に降りかかってきたときの
悲しみ、絶望感、喪失感といったようなものは
想像とはかけ離れており経験してみないとわからないものです
蟲師は非日常的なフィクションの世界の物語で
ともすると蟲の方にばかり目が行ってしまいがちですが
中心に描かれているのはその世界で生きる人間たちであり
彼らの「生き方」と「心の在りよう」綴られている作品です
そういった意味でも今回の話は良くできていて
私たちの愛した「蟲師」が帰ってきたんだなと思わせてくれました
しかし、ここで気になった点が一つ
アニメ蟲師は以前から子供の役には子役を使っていました
今回もメインのひより役は小学6年生の女の子が演じています
序盤は子供らしさというものがうまく出ていて良かったのですが
中盤以降の演技、特に独白シーンなどは違和感をぬぐえませんでした
子役を使う事でよりリアルな子供に近づくというのは理解できます
要求されているのは実在しないものを本物よりもリアルに見せること
特に今回のような負の感情の演技は人生経験がものを言いますから
プロの声優を起用したほうがうまくいったんじゃないかと思います
もちろん必ずしも子役より大人のほうが良いというわけではないと思います
もっとひどい声優はプロでもいっぱいいますし
子役のなかにも大人顔負けの演技をする子は存在します
安達祐美、加藤清史郎、芦田真菜
天才子役なんてもてはやされてきた子たちは皆
その人生経験に不釣り合いなマイナスの感情の演技で一世を風靡した子ばかりです
年端もいかない子供がどうしてこれだけのものを表現できるのかと驚かされます
しかし、彼らが天才と呼ばれるのはそれが非常に難しいことの表れでもあり
そのレベルをすべての子役に要求しようとすれば無理が生じるのは当たり前です
とはいえ蟲師続章の2話にでてきた少女たちには
特別編のひよりに比べ難度も重要度も低かったとはいえ
演技に全く問題を感じませんでした
子役と職業声優どちらが上かと優劣をつけるのはナンセンスなことで
適材適所その役に最も適している役者が演じればいいわけです
そう考えると最初から片方だけしか選択肢に入れないというのは
作品を作っていくうえで足枷にしかならないと思うんですけどねぇ・・・
おまけ
ナタリーの監督インタビューがすごく面白かった
未読の方は是非!
http://natalie.mu/comic/pp/mushishi