蓬(Yomogi) さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
タイトルなし
山本沙代監督のカラーが峰不二子のカラーとして出た作品だった。
60年代のアバンギャルドな表現を全面に押し出し、原作ルパンを発展させた大人のルパンに仕上がっている。
特に良いと思った点が原作に繋がるようにシナリオの辻褄を合わせてきた所。
オールドファンに敬意を評し世界観を尊重した構成だった。
全体のオチとしては無難だったが、不二子の過去話を始めた時点で夢落ちなのは薄々分かっていたので良しとする。(不二子の過去話を描くこと自体が野暮だとみんな分かっている)
絵はセルの表現から大きく離れ、鉛筆のタッチを前面に出した作画でアーティスティック。小道具や演出面も画面のバランスを重視し美しい画面を作っている。
宮崎ルパンの影響を受けていないデザインは見ていて新鮮みがあった。
ルパン三世のパイロット版で「峰不二子は女である」というセリフがあるのだが、これをよく体現していた作品だったと思う。
が、それも監督と脚本家の「峰不二子像」の1つでしかない。
不二子は見る人の数だけその像がある女である。