無毒蠍 さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
自転車ロードレースを題材にした短編映画。かつての恋人の結婚や事実上の解雇通告など、複雑な心情を抱きながらも一切の妥協なく、アタックし続ける「プロ」を描いた作品です。
約46分の短編映画ということでどの程度の割合が
ロードレースに使われてるのか気になってたのですが
最初から最後までロードレースをやっていました。
というのも物語が開始した時にはすでにレースは始まってるんですよ。
ここらへんはうまく無駄を省いた印象を抱きました。
まぁ原作があるみたいなので原作通りだったのかもしれませんがね。
スペインの自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャに参加中のペペ。
奇しくもこの日は兄アンヘルとかつての恋人であるカルメンの結婚式でした。
しかもスポンサーから解雇通告のようなものまでされ複雑な感情を抱きながらも、
がむしゃらに自転車をこぐペペに胸が熱くなります。
こういった競技を題材にした作品は個人的に好きなんです。
身体が悲鳴をあげてボロボロになっても
最後まで勝負をあきらめないような話はいつの時代も素晴らしく感じます。
この作品はそういった作品の中でもかつての恋人や解雇などの問題をつかい、
少し大人びた作品になってます。
46分と短いながらもペペ、カルメン、アンヘルの関係性は間接的にですが
そこそこ描写されており、むしろそこそこの描写で済ましてるからこそ
ペペの哀愁が際立ってるように感じました。
おそらくペペはこのレースまでは地元に未練があったんだと思います。
だからこそ地元のレーサーにはなりたくないんだなぁ、と。
しかしこの作品のラストでは何かしら吹っ切れたかのようないい顔をしてましたし、
これでようやく彼は遠くへ行けるのだと思います。
短編ということで爆発的な盛り上がりはないですがナスのようなみずみずしさを含んだ作品でした
【B+75点】