じぇりー さんの感想・評価
4.5
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
昭和ノスタルジー、平成クレイジー
と言ったところだろうか。
どこか昔のアニメを見ているような懐かしさを感じる線の太い作画とフォント、特に前期のEDテーマ曲などは、完全に狙った昭和感がある。
とはいえ、ストーリー自体はオリジナリティーの溢れる斬新な設定と展開。こんな荒唐無稽な内容のアニメ、仮に昭和時代に流しても視聴者はポカーンとなるだけだろう。
「KILL la KILL」なんてタイトルを聞くと、血で血を洗うようなバトルものと思うだろう。
・・・が、敢えて説明抜きでツッコミどころを詰め込んだギャグ要素満載のアニメで、見ているとプッと笑いたくなるようなシーンが、随所に織り込まれている。
しかし、見続けていくと、やはり「血で血を洗う」熱いバトルアニメであった。
決してグロくはないが、痛そうなシーンは多いので、その手の描写が苦手な方の視聴は慎重に。。。
さて、ストーリーに関しては序盤は完全に学園バトルモノであったが、型にはまらない破天荒な内容で、なかなか面白かった。ただ終盤に向かうにつれスケールが大きくなりすぎて、少しついて行けなくなった点は残念。
あと、設定上「服を着る・服に着られる」(「キルラキル」というタイトルの語源の一部とも考えられる)という要素があるため、登場人物が老若男女問わず裸になったり露出の高い恰好になること自体は自然だと思うが、それを通り越して「破廉恥」な描写は正直いらないのではないかと思った。
このようなサービスシーン(?)が無くとも、十分内容で勝負できる作品だったと思うので、これは作り手側の趣味だったのだろうか・・・
声優は文句なしに★5である。どのキャラクターをとっても、見事に声とキャラが合っており、ヒロインを始め戦闘シーンで叫ぶことが多い疲れそうな役を、誰もが見事に演じ切っていた。
私はNHK「ふえはうたう」でリコーダーのお兄さんを見て育ち、KOEIの金字塔乙女ゲーム「アンジェリーク」で地味だが慈愛に満ちた守護聖ルヴァ様に夢中になった。
つまり本作で「鮮血」を演じていた関俊彦さんの大ファンなのだが、この方のようなベテラン声優も惜しみなく起用していた点も素晴らしい。
さらに、関西のエピソードで登場する高校生たちの関西弁が、大阪・神戸・京都と、地元民でしか聞き分けられない程、正確に違いが再現されていた。
あまりの正確さ(しかし台詞自体は下品だけどもw)に気になって声優陣を調べたら、全員関西弁のネイティブだった。この点も評価に値する。
やはり、方言を使うキャラはその地域出身の声優に任せるべきである。
さらに、道頓堀川で何気にカーネルサンダース人形が浮かんでいたのが、私にとって本作一番のサイレントツッコミどころであった。見逃した方は是非もう一度見直してほしい程だw
大抵の方が楽しめる娯楽的アニメではないだろうか。