無毒蠍 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ジブリ作品で最もダンディズム溢れる作品!嫌味なキャラが一人もおらず、ロマンあふれる気持ちのいい作品に仕上がってます。
古い順にジブリ作品を視聴してきましたが今のところ一番好きな作品です!
マルコはかっこいいしフィオは可愛いしジーナは素敵だし、
その他サブキャラも根は良いやつらばかりで嫌味な部分がない素敵な作品です。
戦闘機での空中戦やそれに関連するキャラクターたちの生きざまにプライド。
難しいことはなく非常にわかりやすい設定なのでスッと頭に入ってきやすいです。
宮崎駿監督が語ったように「疲れて脳細胞が豆腐になった中年男のためのマンガ映画」
になっています。
つまりこの作品の面白さが理解できてしまう
=実年齢はともかく中身は中年の可能性がありますのでご注意ください(笑)
魔法によって豚の姿をしているマルコがダンディズムあふれる男でとてもかっこよかったです。
豪胆さと愛嬌を併せ持った気持ちのいいキャラクターでしたね。
随所のかっこいい発言とは裏腹に女性にキスされたりするとすぐ顔が赤くなる可愛いやつでもあります。
もしかして「紅の豚」ってそういう意味ですか?(笑)
賞金稼ぎでありながら殺しはやらないというポリシーもいい。
こういう設定は少し間違えると偽善にしかならないが
マルコは様になってました。
フィオも17歳という若さでありながら、
自分の気持ちや思ってることをストレートに相手に伝えることが出来る素直な子でした。
男勝りなところもありますが年相応の女の子らしいところもあって可愛かったです。
マルコにぐいぐい迫るところも彼女らしいですね。
逆にジーナはマルコとは長い付き合いで二人は微妙な関係?
二人だけにしかわからない線引きみたいなものがあって
フィオとは違う大人の関係に感じました。
魅力的なのは女性キャラに限らず男性キャラクターもいい味だしてます。
しょっぱなから登場する空賊の連中も小さい子供たちを誘拐するにはあまりにも優しすぎる!
口調が子供を怖がらせないようにまさに子供に話しかけるように気をつかってるところが笑えますw
その子供たちもジブリ特有の好き勝手やり放題の子供たちでとても可愛らしい。
この作品でマルコの宿敵というかライバルのような感じで描かれてるカーチス。
マルコを倒して名声を得ようとしてたキャラなんですが女性に惚れやすく、
ジーナにアタックし玉砕した後にはフィオに惚れてアタックしてました。
終盤の決闘ではフィオが賭けの対象になってたりと結構なお騒がせキャラです。
でも実際何考えてたかよくわからないキャラでもあって、
決闘はフィオが賭けの対象なのにマルコとの殴り合いのシーンで
ジーナはお前に惚れてるんだよ!的なことを言いながら殴ってました。
ジーナの気持ちを知ってしまったカーチスがジーナの代わりに代弁してたんですよ。
それを聞かされたマルコは案の定「紅の豚」状態になり、
素敵なパンチをもらっちゃいましたね(笑)
フィオを口説きながらジーナの気持ちを代弁するカーチスには頭が下がります。
最終的にマルコは人間に戻ったみたいですがその姿を唯一確認したキャラクターでもあります。
将来の夢は大統領だとか…
最後どうしてマルコは人間に戻れたんだろうね。
戻る前にフィオにキスされてたけど本当にキスで戻ってしまったのだろうか?
視聴後に色々考察してみても面白いかもしれません。
「私 いま賭けをしてるから―私がこの庭にいる時その人が訪ねてきたら
今度こそ愛そうって賭けしてるの。
でも そのバカ夜のお店にしか来ないわ日差しの中へは ちっとも出てこない」
というジーナのセリフが作中でありましたがラストのカットでマルコの飛行機らしきものが
ジーナのホテル前にとまってるのが見えるんですよね。
ジーナさんは賭けに勝ったのだろうか…
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」や「飛んだところで所詮豚は豚だぜ」などと作中で言われてましたが
私は思う…豚が飛ぶことに意義があると!
だって豚が飛ぶというだけでカッコいいじゃないか。
「カッコイイとは、こういうことさ。」
【A82点】