無毒蠍 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
万人受けどころか子供受けするかどうかも疑問だがこの作品は観てる側の想い出まで引っ張り出してくれて、とても懐かしい気持ちになる貴重な作品だと思いました。
東京生まれ東京育ちの田舎に憧れてる主人公、岡島タエ子が田舎で農業を経験しながら
小学五年生の頃の想い出を回顧していく内容になってます。
タエ子に田舎はありませんでしたが姉が結婚したことにより親戚ができ、
その田舎にお邪魔させてもらってるみたいです。
この作品はタエ子27歳の時代を軸にタエ子10歳の回想を随所にいれてく演出がなされてます。
序盤では比較的小学生時代の回想が多く現代のシーンのほうが少ないくらいですかね。
この序盤の回想によってタエ子がどういった幼少生活を過ごしていたのか把握できます。
なぜか27歳のタエ子は田舎に10歳のタエ子の想い出まで一緒に連れてきてしまったんですが
想い出を回顧するには27歳という年齢はちょうどいいのかもしれません。
私も時々小さい頃の時分を思い出し懐かしむことがあります。
こんな感じでタエ子と一緒に過去を顧みる楽しみ方もできる作品でノスタルジーな印象ですね。
子供のころは両親に理不尽な理由で怒られてふてくされてたりなんかして納得できませんでしたが
不思議なもので大人になると全然理不尽なことなんかじゃなかったんだなぁ、
と納得できてしまうものです。
この作品はある種の共感のようなものを得られる作品なんですが
逆に言えば共感できる要素がないと退屈に感じるかもしれません。
よって大人が昔を懐かしむという気持ちがまだ理解できないであろう子供には退屈かな?
もしかしたらそういった大人の気持ちがよくわからなくても、
なんかこういうの大人っぽい!とそこに大人への憧れが生まれたりもするかもしれませんよね。
ものすごく大変な職業だとわかっていてもこの作品を観ると田舎に憧れるし、
農業だってやってみたくなります。
まさに終盤で吐露されたタエ子と同じ気持ちですよ。
いい子ぶって憧れてるだけで後ろめたい気持ちになります…
でも機会があれば本当にやってみたいんですけどね…
私もタエ子と同じく東京生まれ東京育ちなので田舎はありません。
地方の方が都会に憧れてるように都会に住んでる人間も実は田舎に憧れてるんですよね。
個人的にここが一番の共感ポイントでした。
夏休みとか田舎に帰省する同級生多かったなぁ。
僕も田舎に憧れてて子供のころ母親に田舎に行きたい!と言ったことを思い出しました。
タエ子家同様に家に田舎はないと言われましたがね…
難しいことを考えずに作品の節々に散りばめられたノスタルジーを感じていく作品なので
タエ子と一緒になって「おもひでぽろぽろ」していきましょう(笑)
【B+78点】