らしたー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
力を発揮できなかった人ほど愛おしい
そこで終わるのか。
てまあ、うん、そこで終わるわな。
基本の構成は安定の咲クオリティである。
なんか悩む⇒回想シーン⇒BGMが変わる⇒ロン!
これに対してふざけんな言う人間ももはやいないのだろう。
で、やっぱりキャラの立たせ方がすごくうまい。
ネタバレってほどの内容でもないけれど、、
{netabare}
表面上、もっともオカルティックな打ち筋を見せる永水女子の薄墨にデジタルの申し子である原村をあててみたり、口八丁の姫松・愛宕姉と宮守女子の鹿倉に同じ卓を囲ませてみたり。確実に面白い展開が予想される組み合わせであるだけでなく、各人のキャラクターとしての持ち味てやつを相乗効果で何倍にも引き出し合ってる。
バランス的なことをいうと、やや宮守びいきが過ぎたんじゃないかっていう気がしないでもないが、その分、宮守はレギュラー全員が見事にキャラ立ちしていたように思う。{/netabare}
阿知賀編は、準決勝先鋒戦こそシリーズ屈指の白眉と思うが、全体的にやや乱暴なキャラクター作りが目立っただけに、全国編でいろいろ持ち直したような印象もあり。
*
全国編に限ったことではないのだけれど、『咲』がうまいと思うのは、お話の進行上、「たまたま力を発揮できなかった人」に対するさりげないフォローがあるところ。
{netabare}
先鋒戦の上重(姫松)や次鋒戦のエイスリン(宮守)など、試合上の描かれ方だけ見ると封殺されたように思えるも、その周辺のちょっとした描写と重ね合わせることで、もう一回やったらわからないな、という余韻を確実に残す。{/netabare}
勝者は強いがゆえに勝つ。されど、敗者は弱いがゆえに負けたにあらず、というね、自分でも何言ってるかわからないけど、「単純に弱いから負けた」、という冷酷な切り離し方は絶対にしないのだ。
そこになんていうか、麻雀をスポーツ的に描きつつも、しょせんは巡り合わせっすよねー、という最後の良心みたいなものが見え隠れしていて、少なくとも私にはそう感じられて、なんだかとても温かい気分で視聴できる作品なんである。本来の力を発揮できなかった少女たちがとても愛おしく思えるのである。
単にオカルトでサイキックでマジカルな麻雀てわけでもないんだなーと、今更ながら感心しつつも、いったいいつになったら決勝卓が描かれるのかと気が遠くなります。