Ellue さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
究極の映像美で観る悲壮な物語の名作
作画に関しては、もうアニメの枠を超えていると言ってもいいのではないでしょうか。
他の要素もこの作画を中心に、生かした作りでその映像美を前面に押し出してきます。
都会、田舎、海、空、桜吹雪、雪、朝、昼、夜、色々な季節等どこをとっても美しい。
さて、この作品を語る際にもう一つ取り沙汰される要素があります。
それは、初恋が実らない形の失恋物語。
ハッピーエンドではないから?違うんです。
主人公・貴樹が能動的ではなかったから。
中学の時、群馬まで会いに行く事になったのも明里の手紙がきっかけ。
種子島に行っても変わらず。
一途なのは良い事だとは思うのだけれど、どんなに好きでも何もしなければ、届くわけがありません。
その距離は埋まらないし、時が経てば薄れていくのは必然です。
そして、もっとやれる事もあったはずなのに後悔の残る形で完結する。
せめてもの救いが再び前を向いて歩けたことでしょうか。
なので悲愴ではなく悲壮で終えることが出来たと思う。
取り戻すことの出来ない時間。
後悔しないように生きてみませんか?
そう語りかけて来るような重い物語です。