くらうち さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
名作を確信する瞬間
1クールという短い時間の中で、一切の無駄なく、これほど凝縮されたストーリーのアニメがあるでしょうか。
最も肝となるのは10話でしょう。
ほむらが魔法を使って、まどかを救うために何回も時間を巻き戻していたことが明らかになります。
そして、最後に持ってこられるオープニング。
ここで、「コネクト」がほむらを歌ったものであることがわかったときの衝撃は未だに忘れません。
この演出は、総集編となっている劇場版第一弾でも維持されています。
ほむらの奮闘も虚しく(?)まどかは魔法少女になってしまいます。そして、その願いは、魔女を消し去ること。
過去・現在・未来、全ての魔法少女が魔女になる前に、その呪いを受け止める。
その営為は、まどかを永遠に閉じ込めるもので、まどかは「円環の理」と呼ばれる概念へと昇華してしまう。
想像するだけで鳥肌が立ちますね…
母親である鹿目詢子が、まどかという名前を「アニメか何かのキャラとか?」と言っているのを聞いた時のせつなさといったらありません。
大切な人を助けるために何回も時間を繰り返すというのは、真新しい設定ではありません。
しかし、
魔法少女という一見ほのぼのしたアニメを想像させるが実は鬱展開、
希望を与える者であるはずのキュゥべえが黒幕、
宇宙のエントロピーを防ぐために少女の絶望をエネルギーにするインキュベーターという存在、
そして、主人公の概念化
など、他にも衝撃を受ける設定が盛りだくさんで、他のアニメとは一線を画するクオリティです。
何回も繰り返し見ました。素晴らしいアニメです。