弦之介様 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:----
カジノでの勝負シーンがすごい!そして、感動のラストへ・・・
冲方丁 原作のSF小説の映画化された作品
「圧縮」「燃焼」「排気」の3部作で完結しています。
完全版を3回ほど観終わっての感想です(原作は読んでいません)。
■第2部「燃焼」…から続いての第3部「排気」完結編
<コメントも第2部からの引き続きです>
舞台は、第2部に引き続き「カジノ」
第3部では、最強のディーラー:アシュレイが登場し、さらに息をのむ勝負展開となりました。
アシュレイに何か仕掛けがあるのではないかと指摘されたバロット…
アシュレイとのブラックジャックの勝負に苦戦します。
そんな中、(第2話で勝負した)腕利きの女性スピナー:ベル がバロットのもとへ。
…「カードと会話しなきゃ、この男には勝てない。だろ?」…
その後、勝負の展開がかわっていきます。
そして、ついに! {netabare} …バロットの勝利…
バロットの頬に流れ続ける涙…
「運とは何か…」
「時に、勝つことは負けることよりつらい」
「最大限の勝利、400万ドルを捨てるという選択」
「目の前で誰かが完全に勝つのを初めて見た」「完璧な勝ちだ」
{/netabare}
アシュレイとバロットの勝負は静かな緊迫感があって、(勝負事を知らないわたしでも)息をのむ展開でおもしろかったです。
勝負中にアシュレイがバロットに投げかけた質問、アシュレイとバロット / ベルとバロットの対話なども印象的でした。
…勝負中に絶妙なタイミングで流れる、本田美奈子さんと林原めぐみさんの「アメイジング・グレイス」が心に一層響きました…
さて、チップの中に入った「シェルの記憶」を手にして物語はクライマックスへ~:
「シェルの記憶」の解析でシェルの犯罪の動機の証明をしていき、たどり着いたシェルの過去… {netabare}バロットと同じように性的虐待を受けていた真実 {/netabare}…
ずっとバロットが知りたいと思っていた疑問、「どうして、私なの?」
その答えにたどり着きます。
そして、(内容はしょりますが…)事件は完結へと向かいます。
(わたし的には、シェルのその後がちょっと気になります…)
最後の、ドライブシーンがとてもよかったです。
工場地帯の夜景や、緑色の光に照らされた穏やかなマルドゥック・シティの夜の風景が、第1話の最初に出てきたきらびやかな夜景と異なり、そのコントラストがとても印象的に残っています。
その中での、バロットとウフコックの会話がひときわ印象的でした。
何度かコメントに書きましたが、この作品、ものすごく重~~いテーマが根底にあり、観るのに少し"よいしょ"がいります…が、楽園やカジノの色彩豊かな美しい描写も、夕暮れや夜景の描写も、とてもとても美しかったです。
(第1・2部ほどグロテスクなシーンはないですが、やはり目をそらしたくなるシーンが所々にあります…)
■この作品の音楽の印象:
観終わって振り返り、正直よい意味での強烈な印象はなかったですが、場面や登場人物の繊細な心理状態などを殺さぬよう "音楽が主張しすぎず" 表現されていて、この作品にとても合っていてよかったという印象でした。
こーにっしゅさんが手がけています。
こーにっしゅさん♪:この作品で初めて知りましたが、ピアニスト・作曲家さんで、他には、アニメでは「ヘタリア Axis Powers」「鉄のラインバレル」などを手掛けてらっしゃるみたいですね(わたしは2作品とも観ていません)
ピアニスト…と知り、作中で流れていた美しいピアノの旋律を思いだし、「なるほど…」と感じました。
☆長文失礼しました。ご覧いただきありがとうございました☆