三崎鳴 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
古臭いノリについていけるか
「天元突破グレンラガン」のスタッフがTRIGGERとして独立後、初の企画/制作を手がけたオリジナルアニメーション作品。少ない作画枚数で激しい動きを表現する昭和アニメを彷彿とさせる映像技法が特徴。作画においても展開においてもキャラ造形においても全てが古い。70年代あたりの学園バトルものの傾向が顕著に表れており、ストーリーに勢いはあるものの一話辺りの密度が濃いため一気に視聴するには相当の体力を要する。全体を通しての展開には“王道”以外の言葉では表現しづらく、話としての捻りは少ない。序盤こそ勢いと個性的なキャラでグイグイ引き込んでいくものの中盤は盛大に中弛む。正直見ていてアクションゲームの付属ストーリーレベルとしか思えず、アクションシーンもワンパターンな描き方でマンネリかとも思えた。終盤ではわざと崩していた(いわゆる手の込んだ手抜き、とでも言うか)作画が本当に雑になっていた部分が目立ち制作スケジュールのきつさが垣間見えた(ちなみに、最終話の納品が放送日の朝だったという)。中弛みこそあったものの最後はそれなりに綺麗に締め括ってくれたので及第点とするが今の時代に昭和への回帰を試みたスタッフのチャレンジ精神は高く評価したい。しかし主人公のキャラがぶれやすいのは如何なものか…