だわさ さんの感想・評価
3.3
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
蟲師。自分の中の何かと出会う旅。
全26話
●蟲師概要
蟲というものはいわゆる昆虫の類ではなく、精霊や幽霊に近い作者の創作「異形の者」である。
幽霊が霊感のある人しか見えないのと同じように、蟲も先天的に選ばれた人間しか見ることができない。
蟲師は、そういった蟲の研究や退治をしてる人で、物語は人間と蟲の有り様を描く。
基本的に1話完結型。
時代の設定は明らかではないが日本のノスタルジックな原風景が見られる時代設定で、
出てくる人はみんな和装。
メインキャラクターは主人公一人で、旅をしながらのエピソードなので各話ごとに登場人物が変わる。
●感想
ハッピーエンドにもバッドエンドにも判別のつかない多くのエピソードは、
制作側からの押し付けがましい「答え」が一切ない感じられない。
逆に、自分の中の何かとリンクさせて物語を「自分の内側から」見ている感覚がする。
・灰色がかった絵
・必要以上に抑揚の少ない登場人物の表情と話し方
・必要以上にシーンの感情操作をしないBGM
これらの三つの特徴は26話通してブレずに感じ取ることができ、
「視聴側の感性の眼鏡で、目の前の出来事を自分自身で物語に置き換える」んだなと思った。
このような作品から感じられる視聴者との距離感は、慣れてくると本当に心地良く、
1話見終わったらしばらく作品の内容についてぼーっと思い返してしまった。
ノスタルジックな日本の原風景は、現代とは違う世界であり、それでいて自身が作品の中に入り込みやすいこと。
それから、蟲という神秘的であり、恐ろしくもある人間の隣人は、見えないだけであるかもしれないこと。(あるかもしれなかったこと)
これらが作品の特徴である前途の三つの特徴と相乗効果を成し、
まさに独創性に富んだ幻想世界でありながら懐かしさを秘めた物語への旅に視聴者は出かけることが出来るんだと思う。
もうすぐ蟲師続章が放送開始。またこの世界に浸りたい。