ワタ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
アイドルでも恋がしたい!
温厚なレビュアーばかりの「あにこれ」ですら、辛辣な評価が多く飛び交っている本作。
終わってみれば、何だかんだでアイドルサクセスストーリー。
平凡なところに落ち着いてしまい、そこが一番残念でした。
全体的なストーリー展開や、映像から受ける雰囲気はシリアスで暗い印象なのに
アイドルのタブーと言われる要素(負の部分)への踏み込みが浅くて物足りない。
「芸能ゴシップネタ」「メンバー同士の諍い」「アイドルを目指す理由、アイドルとは何か」
などといった要素を取り上げてはいるけど、それは既存のアイドル作品でも普通にやってること。
終盤になり、結束を固めたメンバー達がいよいよドン底から這い上がっていくわけですが
いつの間に世間の知名度が上がりライブも大盛況になっていたり
真夢と母親の冷えきった関係も何だかよく分からないまま修復していたり
ラストライブ直前の佳乃の怪我も、一旦落として上げる展開としてあまりにも安直だったり
サクセスストーリーとして見ても作りが雑過ぎて、あまりカタルシスを感じられない。
もうはっきり言ってしまえば、アイマスやラブライブで事足りてしまうんです。
劣化版という言葉が適切なのかは置いといて、敢えて本作を見る必要はないでしょう。
※※※
作中で、現実の某アイドルグループをモデルとした「I-1クラブ」のメンバーが
恋愛禁止のルールを破ってしまい、脱退させられるという描写がありました。
この一件が、真夢のI-1クラブ脱退のきっかけにもなったわけですが
WUGとI-1の対比(アイドルという仕事に対する向き合い方の違い)を
もっと強調し、メインテーマとして描いて欲しかったという思いがあります。
二期があればやってくれるかもですが・・・
そもそも、恋愛の発覚が本当に人気低下に繋がるのかという疑問があるわけです。
指原さんもあんなことがあっても総選挙で1位になったわけだし。
まあ出来レースだとか色々言われてますが
アイドルに絶対的な処女性を求めるファンというのは案外少ないのかもしれない。
昨今、声優もアイドル視されるような時代ですが
彼氏との2ショットプリクラが流出しようが全く人気の衰えを見せない声優も多々いるわけで。
平野綾の惨状を察するに、そういった事実の発覚後に一時的に人気が落ちたとしても
そこから仕事に対する誠実な姿勢をいかにアピールできるかが重要なんだと思います。