退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ヒーロー見参!ヒーロー見参!ヒーロー見参!
◎放送時期:2014年4月~6月(全11話)
◎ジャンル:スポーツ、卓球
●原作:松本大洋(小学館 ビッグスピリッツコミックス刊)
●監督・シリーズ構成:湯浅政明 ●キャラクターデザイン:伊東伸高
●アニメーション制作:タツノコプロ
■あらすじ■
片瀬高校卓球部の1年コンビである 自由奔放で自信家なペコ(星野裕)、
小さい頃からいじめられっこだけどクールでけっして笑わないスマイル
(月本誠)を中心として描かれるスポ魂&青春群像劇。
ある日2人は中国人留学生の噂を聞き、辻堂学園高校卓球部の偵察に向かう。
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☆★感想★☆
※原作未読。(2002年公開の実写映画版は視聴済み)
いやぁ、面白かったです。
近年のノイタミナ作品の中では間違いなく3本の指に入る作品だと思います。
というか、日本アニメ史に残る作品かも。
「アニメーションの可能性」を感じさせてくれました^^
たぶん 作画というかキャラデザで敬遠された方も多いのでは?
確かに独特だし、演出も結構 奇抜な面が目立ちます。
しかし、それがまたいい味出してます。
試合シーンはぬるぬる動く感じではないけど、疾走感が凄い。
そして各キャラの心情を示す表現があったりして面白味があります。
ついつい画面に釘付けになることもしばしば。
そしてサブタイの出し方がセンス抜群です。
毎回『おっ』となるような巧みな演出でした^^
ストーリーはいたって王道なスポ魂アニメなんですが、
どちらかというと「青春ドラマ」の色の方が強いかも。
各キャラの心理描写を丁寧に描いたストーリー運びにとにかく
惹きつけられました。
メインキャラだけでなく、脇キャラまで(というかモブ同然のキャラにまで)
しっかり視点が当てられていて、それも雑さが一切ないです。
台詞回しもユーモアに溢れてるし、印象に強く残る言葉も多かったです。
そして、時々挟むシュールなギャグも秀悦でした。
「挫折」と「栄光」
両極面から描かれた葛藤と成長が素晴らしい。
みんなそれぞれの思いを持って戦う姿が一生懸命で 泥臭くて
最高にかっこいい。
それぞれ羽を広げ、それぞれの形で飛び立つ物語だったように思います。
{netabare}9話ラスト付近のペコの語りは泣けました。
小さい頃に自分を救ってくれたことから憧れたヒーロー。
そのヒーローをずっと待っていたスマイル。
それに長い間 応えることを避けていたペコがようやくスマイルの思いを
受け止め、逃げ続けていた今までの自分と向き合ったうえで、
その思いに応えることが出来た。
『スマイルが呼んでんよ』
まさに「ヒーロー見参」の瞬間でした。
ヒーローは何のために戦うか?
無論、それはヒーローだから。ヒーローは戦うからヒーローと呼ばれる。
負傷した右膝の痛みを抱えてもなお、勇敢に戦うことを厭わないペコの姿
には涙を抑えられませんでした(;_:)
序盤のペコを思い返すと余計にこみ上げてくるものがありました。{/netabare}
『"ヒーロー"とは何か?』
『"血は鉄の味がする"とは?』
この作品を観ると、その答えが分かると思います。
そして、『卓球って楽しそうだ』
『生きてると実感する時ってこういうことなんだ』
そう感じることが出来ると思います。
そしてこれも忘れてはならないのは 声優さん達の演技。
キャスティングがとにかく全体的に良かったです。
チャイナ役の文曄星さんはリアル中国人の声優さんでしたが
リアリティがあり、かつ作品に上手く溶け込んでいた気がしました^^
●OP:「唯一人」/爆弾ジョニー
●ED:「僕らについて」/ メレンゲ
主題歌2曲とも好きです。
OPは曲もいいんですが、なにより映像(3話から起用)が凄いです。
なんじゃこりゃって感じですw
あとは、劇中のBGMもセンスあって良いですね。サントラ欲しくなります。
全11話という短い話数だったので じゃっかん巻き気味だったのが
うかがえたけれど、それでもこの話数内で綺麗に纏まっていた作品でした。
観終わった後にこんなにスッキリできたアニメも久しぶりでした。
湯浅監督、スタッフの皆さん、役者の皆さん。
そしてなによりも、この作品を世に生み出してくれた松本大洋先生に
心から感謝の言葉を。
素晴らしい作品をありがとうございました\(^o^)/
愛してるぜ!!
■好きなキャラ■
みんな魅力的で好きですが、中でも好きなのは孔文革(チャイナ)です。
努力家なところはもちろん、なにより挫折を味わってもけっして後ろを
振り返らず、自分らしく前に進んでいく「強さ」に胸打たれました。
そして、親を大切にしているところも好きです^^
{netabare}たくさん苦悩を重ねてきた彼だからこそ、最終話で再び代表の座に
帰り咲いていたのは本当に嬉しかったなぁ。{/netabare}