かかのん さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
TVアニメとして一つの到達点ですね。
評価を書くのに一年程掛かりました。書くことが無いのでw
脚本、絵コンテ、演出、芝居、細かい小芝居、音楽、MEやSE
作画、一部の3dレイアウト、エフェクト、撮影、コンポジットと
どれ一つ取っても隙のないTVアニメでは今後到達するのが
難しいアニメ作品ですね。
劇場アニメは又別のアプローチなので評価としては並べません。
アニメートの極は宮崎監督だったり、3d処理やエフェクトは
マクロスFのスタッフの手際と技術の蓄積に叶わなかったりするので
このアニメの白眉は、原作とそれを選んだ企画と賀東さんの構成と脚本技術でしょう。原作のままだと面白いんですが少し助長で独特のリズムを持っていて人を選ぶんですが、その世界観を過不足無くフィルムに落としこむ事を前提とした構成は見事です。
監督と賀東さんは勝手知ったる仲なので、離れていても互い完成イメージを共有しながらの作業だったのでしょうね。
見ることが全てですので余り感想を書きませんが、そのクオリティに割りにとても私小説チックな内容は見る人を選ぶ作品だと思います。
個人的にこういうモラトリアムな感じは好みですが、100点満点は付けるものの万人向けのエンターテイメント作品では無い所が惜しいと思います。
個人の評価的に似た感じなのは「蟲師」などでしょうか?郷愁を誘う作品でエピソードごとの好き嫌い激しくて満点は付けませんが氷菓と共に非常に良い作品でしたね。
京アニはベストスタッフを要して意図的に、この作品に取り組んでいると思っているので今後は「細部に渡ってスゴイ」という作品を作ろうと言う興味は薄れたかもしれません。
21世紀初頭のベンチマークとして燦然と輝くアニメ作品であることは疑いはないと思っています。