退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
子供だましの舞台設定
【青の祓魔師】
第一話のアスタロト(元はバビロニア等の中東で崇拝された金星の女神)とか、太平洋戦争時の日本に対する米国のプロパガンダ並に酷いヤツに描かれていますが、実はユダヤ教やキリスト教圏の悪魔というのは、古代にユダヤ人が虐殺したパレスチナの先住民や、当時中東で崇拝されていた神々が、ユダヤ教やキリスト教で異教の悪魔とされただけなんです。
日本人も当時の彼らに虐殺されていれば、神道の神々はアスタロトのように悪魔の列に加えられ、虐殺されずに日本人が国を挙げてキリスト教に改宗していれば、彼らが取り込んだ国々でそうしたように、神道の神々はキリスト教の聖人の列に加えられていたことでしょう。
私はこの作品にかなり違和感を感じました。
主人公の父がカトリックの最高位のエクソシストなのに、息子の悪魔の力を封じるために、インドの不動明王の倶利伽羅剣を使ったり、バチカンのエクソシストの学校なのに、生徒は仏教の坊主だったり、神道の巫女だったり、バチカンのエージェントなのにカトリックではない魔剣使いが出てきたり。
作中でバチカン側が、森の守り神を悪魔として殺し、狐神も悪魔として殺そうとしますが、キリスト教以外の神道の神や、仏教やヒンドゥー教の神々もキリスト教視点では悪魔なのですから、坊主や巫女がバチカン側で戦うのは舞台設定的にかなり無理があります。
{netabare}クライマックスで、太陽の光を当てただけで魔物が消滅するのに、普段使い魔その他の魔物は普通に太陽の下で活動していることにも違和感を感じます。
バチカン側が出現させた、サタンが守るゲヘナの門を、主人公達が必死に破壊しようとする展開にも違和感を感じます。
サタンも他の悪魔も第一話から普通に現世に現れ、メフィストもゲヘナの門を簡単に出現させ、主人公に破壊されているので、いつでもどこにでも開けるはずです。
それならば優先順位はどう考えても、門を壊すことではなく、何が何でもサタンを倒す流れにならないとおかしいです。{/netabare}
バチカンは中世の魔女狩りのイメージで描かれ、悪魔は化け物や獣として描かれ、サタンも善悪を知らない野蛮人のように描かれます。
特別なものであるはずのエクソシストの授業は、その辺の本屋で仕入れたような、ありきたりな知識しか教えません。
ただ、主人公のキャラは魅力的で、声優の演技も上手く、アニメーションのレベルもかなり高いです。
ストーリーは十代前半向けかなと思うので、肩肘を張らずに観ればいいと思います。
最後にどうでもいい話ですが、作中でヨハネ福音書(全21章)の全文暗記を詠唱をするのを見て、ヨハネ黙示録(全22章)だったら、私も若い頃全文暗記したなと思いました。