kuroko85 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
多くの問題提議と多くの満足をもたらす作品
ちなみにこの「作品」とは「反逆のルルーシュ」と「R2」の全50話以上から成るアニメシリーズの事です。普通、1期、2期と分けている作品は連動がさほど深く無く、場合によってはほぼ単独作品と読んでよい物さえありますが、この作品は完全に続き物、(と言うか2つで一つの作品です)ですので2期から見始めてもほとんど話が解りませんし、続けて見なければ本当の満足感は得られません。この作品は完全な積み重ねなのです。1期の様々な話自体が、既に2話の伏線にさえなっており、それぞれが相乗効果を生み出しています。
それにも関わらず、1期を無難に完結させているのは(ちなみに1期の最終話は完結しているとは言えませんが)流石と言うか、演出の妙ですね。
1期では難解な設定と、更に難解な人物関係を丁寧に説明しながらも、1話毎にしっかりと(インパクトの有る終わり方を軸と)した構成で組み立てています。冒頭はブリタニア第3皇子を当て馬とし、中盤から実力派の第2皇女の着任。ここで、主人公の母の死のフラグもしっかり立てています。(個人的に1,2期ともに大きな問題提議は大虐殺)
ですが結局1期では、ギアスの真相は愚か、主人公の母の死の真相、皇帝の出番さえありません。それでも善人である第3皇女の死を前面に押し出し、物語を佳境へ持っていくこと自体が第2期への前フリとは、、
そして、2期ではギアス(ギアス教団の話)の展開として、急遽主人公に弟をあつらえ、敵にも帝国最強の集団を用意(そのメンバーの中に「スザク」を据える設定)。全ての謎が解決した後のエンディングは、50話以上の話を個人のエゴとして引っ張ってきた男の完全な幕引きでした。恐らくほとぼりが冷めればもう一度見直すであろう作品。50話以上を飽きさせずに魅せるし、見た後に様々な価値観の問題提議と満足をもたらす名作。(ただ、このHPの評価を割はめると何故か評価は下がる。絵も嫌いだし、音楽も嫌いだし、声優も好きではない。ただそれらを問題視させないプロットと演出。)